フィリピンのビールおすすめ銘柄|サンミゲルの種類や味わい・値段からクラフトビールまで解説

世界のお酒
スポンサーリンク

はじめに|フィリピンのビールはシェア9割超がサンミゲル!?

フィリピンのビール市場は、なんと9割以上をサンミゲル1社が握る“ほぼ一強”の世界。バーやレストランで「ビール」と頼めば、当たり前のようにサンミゲルが出てきます。1890年、スペイン統治下のマニラで誕生したこのブランドは、130年以上フィリピンの食卓と夜を支えてきました。
さらに面白いのが、フィリピンで一番売れているのは定番のペールピルセンではなく、同じサンミゲル社の強いラガー「レッドホース」だということ。とはいえ近年は第2勢力のアジア・ブルワリーや個性派のクラフトビールも台頭し、選択肢は少しずつ広がっています。
機内で提供されたサンミゲル・ペールピルセンの缶
フィリピン行きの機内で出会ったサンミゲル缶
この記事でわかること

  • フィリピンで最も飲まれているビール銘柄とその味わいの特徴
  • サンミゲル各シリーズ(ペール・ライト・ドライ・黒・白)の違い
  • アルコール強めのレッドホースを飲むべきシーン
  • サンミゲル以外の銘柄(マニラビール・クラフトビール)

フィリピンのビール文化|基礎知識

サンミゲルが9割超のシェアを握る国

フィリピンのビール市場は、San Miguel Brewery Inc.(サンミゲル・ブルワリー)が約93%という圧倒的なシェアを持つ構造です(米農務省データ)。1890年にマニラで創業した同社は、ペールピルセン・ライト・ドライ・プレミアム・黒ビール・白ビール・フレーバーと幅広いラインナップを展開し、旅行者がバーやコンビニで目にするビールの大半がサンミゲルブランドです。残りのシェアは第2勢力のアジア・ブルワリー(ビア・ナ・ビアなど・約6%)が握り、近年は小規模なクラフトブルワリーも各地で増えています。

フィリピンでビールを飲む場面

シーンおすすめビールひとこと
セブ島・ビーチリゾートサンミグ・ライト軽くて何杯でも飲める
マニラの屋台・夜市レッドホース地元の夜を盛り上げる一本
レストランで食事と一緒にサンミゲル・ペールピルセン迷ったらこれで外れなし
ビール好きの旅行者プレミアム・オールモルト/クラフトコク深い一杯や個性派を
ビール苦手・初心者フレーバービール・アップルフルーティーで飲みやすい

コンビニ(7-Elevenやアルファマートなど)では1本約60〜80ペソ前後が相場です(価格は変動します)。冷えたビールをすぐ買えるコンビニが至るところにあるのもフィリピンらしさ。街歩きやビーチでの乾杯に気軽に楽しめます。

サンミゲル|フィリピンを代表する国民的ブランド

フィリピンのビールを語るうえで外せないのがサンミゲル。1890年創業の老舗で、東南アジア有数の歴史を持つブランドです。最大の魅力は、ひとつのブランドの中にこれだけ味の違うシリーズが揃っていること。定番ピルスナーから黒・白・フレーバー・低アルコールまで、その日の気分や料理に合わせて選べます。ここではサンミゲルの主要シリーズを順に紹介します。

サンミゲル・ペールピルセン【定番・万能の国民的ビール】

スタイルアルコール度数醸造所誕生定番度
ペール・ラガー(ピルスナー)5%San Miguel Brewery Inc.1890年★★★
屋台のテラス席で楽しむサンミゲル・ペールピルセン
テラス席で味わうサンミゲル・ペールピルセン。フライドポテトとの相性も抜群

フィリピンを代表するビールといえば、まずこれ。クリアなゴールドカラーで、麦の旨みと穏やかなホップの苦みがバランスよく調和した飲み口は、日本のキリン一番搾りに近い感覚でスッと飲めます。後味はクリーンで、暑い気候の中でも飽きずに何杯でも飲めるのが魅力です。

フィリピンのレストラン・バー・コンビニなら必ずといっていいほど置いてあります。「何を頼んでいいか迷ったらこれ」という旅行者の定番で、現地の人と乾杯するときも「サンミゲル!」と言えばすぐに通じます。

サンミグ・ライト【リゾートで何杯でも飲める軽さ】

スタイルアルコール度数醸造所誕生定番度
ライトラガー5%San Miguel Brewery Inc.1999年★★★
夜のテラス席に置かれたサン・ミグ・ライト
夜のテラス席で楽しむサン・ミグ・ライト。涼しい夜風とよく合う

セブ島やボラカイのビーチリゾートで最も目にする銘柄がこれ。軽やかでフレッシュな飲み口と程よい苦み、すっきりした後味が暑さの中でも心地よく、1本100カロリー程度という軽さが特長です。ペールピルセンよりさらに飲みやすく、ビール初心者や健康を気にしている旅行者にも受け入れやすい一本です。

プールサイドやサンセットバーでBBQシーフードと合わせながらゆっくり飲む——そんなリゾート旅行のシーンに自然と溶け込む銘柄です。長い一日の観光後に飲む最初の一杯としても最適です。

サンミゲル・スーパードライ【ドライでクリーン、ビール好きの旅行者に】

スタイルアルコール度数醸造所誕生定番度
ドライラガー5%San Miguel Brewery Inc.1989年★★

明るいゴールドカラーで、モルトの風味に柔らかいシトラス系のホップニュアンスがのる一杯。名前のとおりドライでクリーンな後味が際立ち、苦みは穏やかでとても飲みやすいです。同じ5%のペールピルセンに比べるとやや「のどごし重視」なスタイルで、ビールの味の違いを楽しみたい旅行者に向いています。

名前から日本の「アサヒスーパードライ」を連想する人も多いはず。同じくドライでキレのある系統ですが、こちらは柔らかなシトラス系ホップの香りがほんのり感じられ、より穏やかな飲み口です。「ドライ系が好きだけど、もう少しふくらみもほしい」という人にちょうどよい一本です。

スーパーやコンビニで330ml缶を手に入れやすく、ホテルの部屋でゆっくり飲んだり、食事のお供にしたりと使い勝手のいい一本です。

サンミゲル・プレミアム・オールモルト【麦芽100%のリッチな一杯】

スタイルアルコール度数醸造所誕生定番度
プレミアム・ラガー(オールモルト)5%San Miguel Brewery Inc.2000年★★

麦芽100%(オールモルト)を使った、サンミゲルの中で最もコクと香りが豊かなプレミアムライン。豊かなモルトの香りと程よいホップのノートがバランスよく重なり、まろやかでほのかな甘みとコクが口に広がります。通常のペールピルセンと飲み比べると、その「上品さの差」がはっきりわかります。

ちょっと良いレストランで食事を楽しむ際や、旅の締めくくりに「今夜は贅沢に」という気分のときにぴったり。スーパーやコンビニで缶・瓶ともに入手できます。

サンミゲル・セルベサ・ネグラ【本格派の黒ビール体験】

スタイルアルコール度数醸造所誕生定番度
ダークラガー5%San Miguel Brewery Inc.創業初期★★

カラメルを思わせるローストの甘い香りが立ち上がる、フィリピンを代表する黒ビール。口に含むと深みのある風味が広がり、甘みとロースト感のバランスが取れたスムーズな飲み口が続きます。ギネスのようなドライで苦いスタウトとは違い、まろやかな甘みとコクが主役のダークラガーです。「ビール=軽い」というイメージを覆すほど本格的な仕上がりで、黒ビール好きなら迷わず試してほしい一本です。

ちなみに「セルベサ・ネグラ(Cerveza Negra)」とはスペイン語でそのまま「黒いビール」の意味。フィリピンがかつてスペイン統治下にあった歴史を映すネーミングで、サンミゲル創業初期から続く伝統の一本です。

フィリピン料理のアドボ(煮込み料理)やレチョン(豚の丸焼き)など、味の濃い料理との相性が抜群。スーパー・コンビニ・バーで入手できます。

サンミゲル・セルベサ・ブランカ【スパイシーで爽やか、リゾートの夜に映える個性派】

スタイルアルコール度数醸造所誕生定番度
ベルジャン・ウィートエール(白ビール)5.4%San Miguel Brewery Inc.2010年代後半★★

シトラス・コリアンダー・スパイスを使ったベルギースタイルの白ビール。グラスに注ぐとフルーティーでスパイシーな香りがふわっと広がり、ミントのような爽やかさとほのかな甘みが続きます。暑いフィリピンで飲む爽快感が本当に抜群で、「こんなビールがフィリピンにあるの?」と驚く旅行者も多い個性派です。

ちなみに「セルベサ・ブランカ(Cerveza Blanca)」はスペイン語で「白いビール」の意味。黒ビールの「ネグラ」と対になるネーミングで、フィリピンに残るスペイン文化の名残を感じさせます。

セブ島やボラカイのバーで日没後にゆっくり飲むのがおすすめ。シーフード料理との相性も良く、主要都市のスーパー・コンビニ・レストランで手に入ります。

サンミゲル・フレーバービール・アップル【ビールが苦手でも楽しめるフルーツ系】

スタイルアルコール度数醸造所誕生定番度
フルーツフレーバードラガー3%San Miguel Brewery Inc.2010年代★★
サンミゲル・フレーバービール・アップルの缶
Photo: Obsidian Soul / Wikimedia Commons / CC0

リンゴの果実味がたっぷりで、苦みがほとんどなくジューシーな飲み口。アルコール3%と低めなので、「ビールの苦さが苦手」という旅行者でもするする飲めます。食前酒代わりにリゾートのレストランで飲むのにもぴったりで、暑い気候のフィリピンでの水分補給感覚で楽しめる一本です。

フィリピン全土のコンビニやスーパーで入手可能。ビール好きな同行者と一緒でも、この一本なら無理なく乾杯に参加できます。

ちなみにこのフレーバーシリーズには、アップルのほかに「レモン」や「ライチ」味も並んでいます。レモンはレモネードのような爽やかな甘酸っぱさで、アップルと並ぶ人気フレーバー。コンビニの棚で見かけたら飲み比べてみるのも楽しいです。

サンミグ・ゼロ【低アルコールで健康志向の旅行者に】

スタイルアルコール度数醸造所誕生定番度
低アルコールラガー2.6%San Miguel Brewery Inc.2000年代後半

アルコール2.6%・60カロリーという軽さながら、サンミゲルらしいスッキリしたラガーの風味をしっかり再現しています。「飲んでいるうちに酔いすぎたくない」「翌日の観光に響かせたくない」という健康志向の旅行者にも安心して飲めます。見た目も味わいも普通のビールそのままなので、乾杯の場にも自然に溶け込みます。

ひとつ注意したいのは、名前に「ゼロ」とついていても、これはアルコール2.6%入りのローアルコールビールであって、日本の「0.00%」ノンアルコールビールとは別物だということ(サンミゲルには別途「0.0%」という完全ノンアル製品もあり、紛らわしいので要注意)。お酒が完全にNGな方や、このあと運転の予定がある方は気をつけてください。

主要スーパーやコンビニで入手できますが、流通量は他のサンミゲルシリーズより少なめ。旅行中に「今夜は軽くしておきたい」という夜に探してみてください。

レッドホース|“強さ”の代名詞

スタイルアルコール度数醸造所誕生定番度
ヨーロピアン・ストロング・ラガー6.9%(国内)San Miguel Brewery Inc.1982年★★★
レッドホース・ビールのボトルと缶
Photo: David Stanley / Wikimedia Commons / CC BY 2.0

サンミゲル社が手がける「強い方のビール」がレッドホース。実はフィリピンで最も売れているビールがこのレッドホースで、単一ブランドで市場の約6割を占めるほどの人気者です。甘みとまろやかな苦みが溶け合ったモルトの風味が立ち上がり、飲みやすいのにアルコール6.9%という強さが後からじわじわやってくる一本。マニラの屋台でシシグ(鉄板焼きポーク)をつつきながら飲むとその威力がよくわかります。

フィリピン全土のサリサリストア(零細小売)や屋台でも見かける定番銘柄。ペールピルセンより飲み応えを求める旅行者や、現地の人たちと夜を盛り上げたいときにぴったりです。飲みすぎには注意ですが、一度は試す価値のある体験的な一本です。

サンミゲル以外も試したい|第2勢力&クラフトビール

市場の大半をサンミゲルが占めるフィリピンですが、選択肢はそれだけではありません。「いつもと違う一杯を」という旅行者のために、第2勢力のアジア・ブルワリーと、近年盛り上がるクラフトビールを紹介します。

アジア・ブルワリー(マニラビール/ビア・ナ・ビア)

サンミゲルに次ぐフィリピン第2のビールメーカーがアジア・ブルワリー(LTグループ傘下)。看板はビア・ナ・ビア(Beer na Beer)で、サンミゲル・ペールピルセンの直接の対抗馬として親しまれる、スムースで爽やかな庶民派ラガー(アルコール5%)です。実はこのビール、もともと別の名前でしたが、サンミゲルとの「ペールピルセン」をめぐる商標争いに敗れて改名した経緯があり、サンミゲル一強ぶりを物語る一本でもあります。もうひとつのマニラビールは麦芽100%のプレミアム・オールモルトで、リッチでクリーンな味わいが持ち味。グリルチキンやピザとよく合います。どちらも価格は手頃なので、サリサリストアやスーパーで見かけたらぜひ飲み比べてみてください。

エンカント・ブルワリー(クラフト)

エンカント(Engkanto Brewery)は2017年創業、フィリピン・クラフトの旗手的存在で、オーストラリアにも進出しています。名前はフィリピン民話の精霊「エンカント」に由来。クリスプで南国の暑さに映えるエンカント・ラガーや、トロピカルフルーツのニュアンスをまとった大胆なホップのIPAが看板です。マンゴーを使ったヘイジーIPAやハニーエールなど、地元の素材を活かした遊び心のあるラインナップも魅力。マニラのおしゃれなバーやレストランで見かけたら、サンミゲルとはまるで違うクラフトの世界を味わえます。

クレイジー・カラバオ(クラフトのパイオニア)

クレイジー・カラバオ(Crazy Carabao Brewing Co.)は2014年創業、フィリピン・クラフトシーンの草分け的ブルワリーです。フィリピンの働き者・水牛(カラバオ)の名を冠し、全国140以上の店舗で楽しめます。シトラシーなペールエールを看板に、マンゴーIPAやコーヒースタウト、ゴールデンエール、ウィートビールまで、冒険心あふれるラインナップが揃います。「フィリピンにもこんな本格クラフトがあるのか」と驚かせてくれる一杯です。

お土産にも持って帰りたいビール

現地で購入したサンミゲル・ペールピルセンの缶
現地マーケットで手に入るサンミゲル・ペールピルセンの缶。お土産の定番

フィリピンから帰る旅行者に人気のお土産ビールは、サンミゲル・ペールピルセンの缶が定番です。空港の免税店やターミナル内のコンビニでも購入できます。珍しいものを選びたいなら、セルベサ・ネグラ(黒)セルベサ・ブランカ(白)は日本ではほとんど見かけないため、ビール好きへの話題性のある一本になります。

液体類の機内持ち込みルールに注意し、受託手荷物でしっかり梱包して持ち帰るのがおすすめです。なお、日本へ酒類を持ち込む場合は税関の免税範囲(成人1人あたり酒類3本=1本760ml換算まで)にも留意しましょう。

まとめ|フィリピン旅行のビールを楽しもう

フィリピンのビールは、サンミゲルというひとつのブランドの中に驚くほど多彩なラインナップが揃っているのが特徴です。定番のペールピルセンから力強いレッドホース、爽やかな白ビール、フルーティーなフレーバービールまで選ぶ楽しみがあり、さらに第2勢力のアジア・ブルワリーや個性的なクラフトビールまで足を伸ばせば、味わいの幅はぐっと広がります。

現地のビールを飲むことは、その国の空気を感じる一番手軽な旅体験のひとつ。セブ島でもマニラでも、冷えたサンミゲルを手に現地の人と乾杯する一杯は、きっと旅の記憶に残るはずです。

タイトルとURLをコピーしました