オーストラリアのビールおすすめ10選|VB・クーパーズなど定番銘柄とお土産向きビールを紹介

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はじめに|オーストラリアではビールがどのくらい飲まれる?

Q. オーストラリアではどのくらいビールが飲まれているの?
A. オーストラリアは1人当たり年間約67.5リットル、日本の約2倍のビールを消費する国です。パブでの一杯は単なる飲食ではなく生活文化の一部です。近年はクラフトビールの台頭が著しく、大手ブランドの横に地元の独立系醸造所のIPAやエールが並ぶ光景は全国のボトルショップで当たり前になっています。

パブ(地元では「ホテル」と呼ばれることも)でのビールは日常文化の一部で、ビール文化が生活に深く根付いた国です。特徴的なのは地域ごとに「地元のビール」への強いロイヤリティがある点——クイーンズランドではXXXX、ビクトリア州ではVBやCarlton、シドニーではTooheys New、という具合に州ごとに定番ブランドが異なります。

本記事では、オーストラリアのおすすめビール10選を創業年・アルコール度数・地域別ポイントとともに紹介します。旅行前の予習から、帰国土産選びまで役立ててください。

オーストラリアビールの基礎知識

定番スタイルと飲み方

オーストラリアで最も多く飲まれているのはオーストラリアン・ラガーと呼ばれるスタイルです。苦みが少なく、のどごしがさっぱりしていて、日本のビール(淡麗系ラガー)に慣れた方にも飲みやすいものが多いです。近年はクラフトビールの醸造所が急増しており、全国各地に個性豊かなブルワリーが続々と誕生しています。

グラスサイズ容量の目安主な使用地域
Schooner(スクーナー)約 425 mLNSW・QLD・SA など
Pot / Middy(ポット)約 285 mLVIC・QLD
Pint(パイント)約 570 mL全国(主にクラフトバー)

グラスサイズは州によって名称が異なるのがオーストラリアの面白いところ。バーで注文するときは「a schooner of VB, please」などと銘柄と一緒に頼むのが定番スタイルです。

⚠️ 南オーストラリア州(アデレード)だけは要注意:他州で「スクーナー(425ml)」と呼ぶサイズを「Pint」、他州の「パイント(570ml)」を「Imperial Pint」と呼びます。Coopersの本拠地アデレードでビールを注文する際は、サイズ感が想定と異なる場合があるので確認を。

大手と独立系の構図

オーストラリアのビール市場は長らく Carlton & United Breweries(CUB、現在はAsahi傘下)Lion(キリン傘下) の2社が寡占しています。VB・Foster’s・Carlton DraughtはCUB、XXXX・Tooheys・Little Creatures・Stone & WoodはLionというグループ構造です。一方、Coopers Brewery は創業家が経営する唯一の大手独立系として独自の地位を保っています。

オーストラリアのおすすめビール10選

1. Victoria Bitter(ビクトリアビター)/VB【メルボルン・ビクトリア州】

スタイルアルコール度数醸造所ビール誕生
オーストラリアンラガー4.0%Carlton & United Breweries(Asahi傘下)1854年
Victoria Bitter(ビクトリアビター)のボトルとグラス
Photo by Prince Roy / CC BY 2.0 / Wikimedia Commons

通称VB(ブイビー)。オーストラリアで最も長く愛され続けているビールのひとつで、1854年にトーマス・エイトキンが考案したレシピを起源とします。2004年には全国シェアの25%超を誇り、長年「オーストラリア人が最も飲むビール」としてトップを走ってきた国民的銘柄です。現在はスッキリ系への嗜好シフトにより、Great Northern・Carlton Dry・XXXX Goldなどが台頭。VBの販売シェアは往時より下がっているものの、「オーストラリアのビールといえばVB」というブランドイメージは健在です。

味わいはしっかりとした苦みとモルトのコクがあり、名前に「ビター」と付くものの、英国スタイルのビターとは異なるラガースタイル。キンキンに冷やしてストレートで飲むのが現地流です。「A Hard Earned Thirst(汗をかいた後の一杯)」というCMコピーとともに、ブルーカラー文化に深く根付いた存在です。

2. Great Northern Super Crisp(グレートノーザン スーパークリスプ)【クイーンズランド州】

スタイルアルコール度数醸造所ブランド誕生
ミッドストレングス・ラガー3.5%Carlton & United Breweries(Asahi傘下)/ Yatala醸造所(QLD)2010年(Super Crispは2015年)

2020年から2025年まで5年連続でオーストラリア販売数1位を記録する、現代のオーストラリアビール市場の王者。起源は1924年にケアンズで創業した「Great Northern Brewery」にさかのぼり、CUBが1931年に買収・1992年に閉鎖した後、2010年にブランドとして復活させました。看板銘柄のSuper Crispは2015年登場のミッドストレングス(低アルコール)ラガーです。

度数3.5%と軽めで、フルーティなアロマ・低苦味・クリーンな後味が特徴。「アウトドアで飲む一杯」をブランドイメージに据えたマーケティングが功を奏し、「スッキリ系・低アルコール」を好む現代オーストラリア人の嗜好をしっかり捉えました。クイーンズランドでの支持が特に厚く、全国のパブやボトルショップで缶・タップともに容易に見つかります。VBのどっしりした苦みが苦手な方にも飲みやすい一本です。

3. XXXX Gold(フォーエックスゴールド)【クイーンズランド州】

スタイルアルコール度数醸造所XXXXブランド誕生
ミッドストレングス・ラガー3.5%Castlemaine Perkins(Lion/キリン傘下)1924年(Goldは1991年)
XXXXビール各種
Photo by Gregory Lloyd / CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons

クイーンズランド州の魂とも呼ばれる存在。XXXXブランド自体は1924年にキャッスルメイン・ブルワーリーが立ち上げ、ブリスベンのミルトン醸造所で製造されています。「フォーエックス」と読み、QLDではVBよりも飲まれています。

XXXX Goldは1991年に登場したミッドストレングス(中程度のアルコール)ラガー。度数3.5%と軽めで、クイーンズランドの強烈な暑さの中でも日中から飲めるのが強みです。クセがなくスッキリしているため、ビール初心者にも飲みやすい一本です。ケアンズやゴールドコーストを旅するなら、必ず一度は手に取る機会があるでしょう。

4. Carlton Draught(カールトンドラフト)【メルボルン・ビクトリア州】

スタイルアルコール度数醸造所醸造所創業
オーストラリアンラガー4.6%Carlton & United Breweries(Asahi傘下)1864年
Carlton Draught(カールトンドラフト)375mLボトル
Photo by Uttamstef12 / CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons

メルボルンを代表するビール。1864年創業のカールトン醸造所(現CUB)が手がける定番ラガーで、VBと並んでオーストラリア全国のパブやスポーツバーで最も多く見かけるドラフトビールのひとつです。

度数4.6%、苦みはほどよくモルトの甘みとのバランスが良好です。メルボルンのスポーツイベント(AFL・クリケット等)との結びつきが深く、MCG(メルボルン・クリケット・グラウンド)ではビールといえばCarlton Draughtというイメージが定着しています。生(ドラフト)で飲むときの新鮮なキレ感が特徴です。

5. Coopers Sparkling Ale(クーパーズ スパークリングエール)【アデレード・南オーストラリア州】

スタイルアルコール度数醸造所醸造所創業
オーストラリアン スパークリングエール5.8%Coopers Brewery(独立系)1862年
Coopers Sparkling Ale(クーパーズ スパークリングエール)
Photo by Finbar.concaig / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons

1862年にトーマス・クーパーが南オーストラリア州アデレードで創業したCoopers Breweryは、オーストラリア最大の独立系(創業家経営)ビールメーカーです。多国籍資本に飲み込まれた他の大手と一線を画す存在として、ビール愛好家から特に高く評価されています。

看板銘柄のSparkling Aleは度数5.8%のやや強めのエール。瓶の底に酵母が沈んでいる「ボトルコンディショニング」製法が特徴で、飲む前にやさしく転がして濁らせてから飲むスタイルが正式な作法です。麦芽のコクと軽いフルーティさが同居した独特の味わいは、一度飲むと忘れられない個性を持っています。お土産としても大人気で、アデレード空港やオーストラリア各地のボトルショップ(BWS・Liquorland等)で購入できます。

6. Tooheys New(トゥーヒーズ ニュー)【シドニー・NSW】

スタイルアルコール度数醸造所醸造所創業 / 銘柄誕生
オーストラリアンラガー4.6%Tooheys(Lion/キリン傘下)1869年 / 1930年
Tooheys New(トゥーヒーズ ニュー)375mLボトル
Photo by Kimjon12 / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons

シドニーおよびニュー・サウス・ウェールズ州(NSW)を代表するビール。アイルランド移民のジョン・トーマス・トゥーヒーと弟ジェームズが1869年にダーリングハーバー(シドニー)で創業したTooheys Breweryの主力銘柄で、VBがビクトリア州のビールであるのに対し、NSW北部ではTooheys Newが長く首位を占めてきました。

度数4.6%でクリーンな飲み口のラガー。苦みは控えめで、シドニーの熱い夏にビーチやバーベキューで飲む定番ビールです。創業者兄弟が通ったパブ「Bald Faced Stag Hotel」にちなんだスタッグ(雄鹿)マークが缶に描かれており、現地のボトルショップ(Liquorland・BWS等)でよく見かけます。

7. Foster’s Lager(フォスターズラガー)

スタイルアルコール度数醸造所誕生
ペールラガー4.0%Carlton & United Breweries(Asahi傘下)1888年
Foster's Radlerのグラスと缶
Photo by JIP / CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons

日本や欧州でも名前が知られる「ザ・オーストラリアビール」の代名詞的存在。ただし面白いことに、現地のオーストラリアでは国内シェアが低く、実際に飲まれているのはほとんどが海外という逆転現象が起きています。もともとアメリカ人兄弟ウィリアム・フォスターとラルフ・フォスターが1888年にメルボルンで醸造を開始した輸出志向のビールで、1907年にCUBと合流しました。

スッキリとした淡麗ラガーで度数4.0%(2024年に従来の4.9%版を廃止、現行「Foster’s Classic」は4.0%)。海外旅行者向けのイメージが強い一方で、「オーストラリアお土産として缶を持ち帰る」という使い方は今も健在です。バーで注文すると現地人に驚かれることも——それもまた話のタネになります。

8. Little Creatures Pale Ale(リトルクリーチャーズ ペールエール)【フリーマントル・西オーストラリア州】

スタイルアルコール度数醸造所創業
アメリカンペールエール5.2%Little Creatures Brewery(Lion/キリン傘下)2000年

2000年、西オーストラリア州パース近郊の港町フリーマントルに誕生したクラフトブルワリー。アメリカ・ワシントン州やオレゴン州産のホールホップを贅沢に使い、芳醇なホップ香と柑橘系の香りが特徴のペールエールを世に送り出しました。

度数5.2%で、苦みの中にフルーティな甘みが共存するバランスの良い一本。オーストラリアのクラフトビール文化を盛り上げた先駆け的存在として評価が高く、2012年にLion傘下となった現在も品質・人気ともに健在です。フリーマントルの醸造所はレストランとビールガーデンを併設しており、観光スポットとしても人気があります。ワーキングホリデーでパースに滞在するなら、ぜひ訪れてほしい場所のひとつです。

9. Stone & Wood Pacific Ale(ストーン&ウッド パシフィックエール)【バイロンベイ・NSW】

スタイルアルコール度数醸造所創業
パシフィックエール4.4%Stone & Wood Brewing Co.(Lion傘下)2008年

ニュー・サウス・ウェールズ州バイロンベイでジェイミー・クック、ブラッド・ロジャース、ロス・ジュリシッチの3名が2008年に設立。3人とももとCUBの醸造技術者という経歴を持ちます。2010年に看板銘柄「Pacific Ale」をリリースし、オーストラリア産のGalaxyホップだけを使用したオール・オージーのレシピが話題になりました。

度数4.4%で、マンゴー・グアバ・マンダリンを思わせる南国系のトロピカルな香りが魅力。2016年のオーストラリア国際ビールアワードでは「チャンピオン大型ブルワリー」を受賞。バイロンベイらしいサーフィン・カルチャーと海辺のリゾート感を体現した一本で、クラフトビールを飲み慣れた旅行者にも強くおすすめできます。

10. Furphy Refreshing Ale(ファーフィー リフレッシングエール)【ジーロング・ビクトリア州】

スタイルアルコール度数醸造所発売
リフレッシングエール4.4%Little Creatures Brewing/Geelong醸造所(Lion傘下)2014年

ビクトリア州ジーロング生まれのエール。100%ビクトリア州産のホップと麦芽を使用したローカル色の強い一本で、2014年にLittle Creatures Brewingのジーロング醸造所でリリースされました。醸造設備をFurphy Engineeringという地元の工業会社から調達したことがブランド名の由来です。

度数4.4%でクリーンな飲み口のエール。フルボディすぎず軽すぎずのちょうど良いバランスで、メルボルン周辺のバーやレストランで見かけることが多い銘柄です。「Furphy(ファーフィー)」はオーストラリア英語で「根拠のない噂話」を意味するスラングでもあり、缶のデザインに書かれた荒唐無稽な”うわさ話”を読みながら飲むのがこのビールの楽しみ方です。

お土産におすすめのオーストラリアビール

オーストラリア旅行の帰りに、ビールをお土産として持ち帰るのもおすすめです。缶・瓶ビールはスーパーに隣接するボトルショップ(酒屋)で購入できます。

お土産におすすめの銘柄

  • Coopers Sparkling Ale:ボトルコンディショニングの個性が話題に。
  • Victoria Bitter:緑のラベルがオーストラリアらしく喜ばれる。
  • Little Creatures Pale Ale:クラフトビール好きへの土産に最適。

まとめ|オーストラリアビールを楽しもう

オーストラリアのビールは、VBやXXXX GoldなどのスッキリしたラガーからCoopers Sparkling AleやLittle Creatures、Stone & Woodのような個性的なエールまで、幅広い選択肢があります。旅行先の地域によって「地元のビール」が異なるのも醍醐味のひとつ——クイーンズランドに行ったらXXXX、メルボルンならCarlton、シドニーならTooheys、フリーマントルならLittle Creaturesを試してみてください。

クラフトビールシーンも急拡大中で、各地に個性的なブルワリーが続々オープンしています。旅行中はぜひ地元のクラフトバーにも立ち寄り、その土地でしか飲めない一杯を探してみてください。

※出典:キリンホールディングス「世界主要国のビール消費量(2023年)」(2024年12月19日発表)


📸 アイキャッチ画像:Australian style lager by Finbar.concaig / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons

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