スペインのビールおすすめ8選|エストレージャ・ガリシア・マオウなど有名銘柄からクラフトまで

世界のお酒

はじめに|スペインの人ってビールは飲むの?

Q. スペインのお酒といえばワインのイメージが強いけど、ビールも飲まれてるの?
A. ワインやサングリアのイメージが強いですが、実はビールも日常的によく飲まれます。特に暑いアンダルシアやバルセロナでは、バルでキンキンに冷えたラガーを楽しむ文化が深く根付いています。

スペインといえばワインやサングリアのイメージが強いかもしれませんが、実はビールも生活に深く根付いています。特に暑いアンダルシアやバルセロナでは、キンキンに冷えたラガービールが日常的な飲み物として愛されています。

スペインのビールは日本のビールと同じラガー(下面発酵)スタイルが中心で、すっきりとした飲み口が特徴。日本人旅行者にとっても飲みやすく、バルのカウンターでタパスと一緒に楽しむのに最適です。

この記事では、スペイン旅行中に現地で楽しんでほしいおすすめビール銘柄8選を、地域別の特徴・味・バルでの楽しみ方とともに紹介します。

この記事でわかること

  • スペインビールの特徴と主なスタイル
  • 「クララ(Clara)」文化について
  • おすすめ銘柄8選の特徴・味・現地での楽しみ方
  • バルでのビールの頼み方・基本フレーズ

スペインビールの基礎知識

スペインビールの主なスタイル一覧

スペインのビールはラガー系が主流ですが、近年はクラフトビール(クラフトセルベッサ)も増えています。

スタイル度数目安特徴
ラガー(Lager)淡い黄金色4.5〜5.5%スペインの主流。すっきり爽快な飲み口。カーニャで提供されるのがこのスタイル
エスペシアル(Especial)黄金色5.0〜6.4%プレミアムラガー。通常のラガーより麦芽感が強くコクがある
ドブレ・マルタ(Doble Malta)深い黄金〜琥珀色6.5〜7.5%麦芽を通常の約2倍使用した濃厚ラガー。豊かなコクと力強い味わいが特徴
ネグラ(Negra)濃い茶〜黒色4.5〜6.0%ダークラガー。ロースト麦芽のコーヒー・チョコ風味。スペインでも選べるバルが増加中
シン・アルコール(Sin Alcohol)淡い黄金色0.0%ノンアルコールビール。スペインでは「シン(Sin)」と略して呼ばれる。昼間から飲む文化も

「クララ(Clara)」文化について

スペインでバルに入ると、メニューに「Clara」という選択肢があることに気づきます。クララとはビール+レモネード(またはレモン風味の炭酸飲料)を混ぜたカクテルで、ビールのアルコール度数を下げながらさっぱり飲める夏の定番ドリンクです。

レシピはシンプルで、生ビールにレモン炭酸(リモン)を1:1程度で割るだけ。ただし注意点があります。マドリードなど内陸部のバルでは、単に「Clara」と頼むとレモンではなく「ガセオサ(甘い炭酸水)」割りが出てくることもあります。レモン割りがほしい場合は「Clara con limón(クララ・コン・リモン)」とはっきり伝えるのが無難です。

クララの種類
Clara con limón:ビール+レモン炭酸(最もポピュラー)
Clara con casera:ビール+ガセオサ(甘い炭酸水)
Clara con naranja:ビール+オレンジ炭酸

おすすめ銘柄8選

1. Estrella Damm(エストレージャ・ダム)

Estrella Damm
Estrella Damm | Photo: Jusotil_1943 / Wikimedia Commons / CC0
スタイルピルスナーラガー
アルコール度数5.4%
醸造所S.A. Damm(バルセロナ)
創業1876年

バルセロナを代表するビールといえばまずこれ。エストレージャ・ダムはアルザス出身の醸造家アウグスト・クンツマン・ダムが1876年にバルセロナで創業した老舗ブランドです。

カタルーニャ地方の大麦・ホップ・水を使ったこだわりの製法で造られ、爽やかな苦みとほのかな麦芽感が調和したすっきりとした飲み口が特徴。カタルーニャ料理との相性が抜群で、サグラダ・ファミリアやカタルーニャ広場周辺のバルではほぼ必ずお目にかかれます。バルセロナを訪れたら、テラス席で「Una caña(カーニャ)」と注文して地元の雰囲気を味わってみてください。

2. Voll-Damm(ボル・ダム)

Voll-Damm doble malta
Voll-Damm | Photo: Francesc Genové / Wikimedia Commons / CC BY 2.0
スタイルドブレ・マルタ(Märzen / ダークラガー)
アルコール度数7.2%
醸造所S.A. Damm(バルセロナ)
創業(発売)1953年(通年発売は1955年より)

エストレージャ・ダムを展開するS.A. Dammが1953年に開発した濃厚ビールボル・ダム(Voll-Damm)。「Voll-Damm」はドイツ語で「Damm醸造所の二重麦芽」を意味し、通常の2倍の麦芽を使って仕込んだドブレ・マルタ(二重麦芽)スタイルが特徴です。バイエルン産ハラータウホップを使用した本格的なメルツェンビール(Märzen)で、ドイツのオクトーバーフェスト系スタイルをスペインで楽しめる稀有な存在です。

深い琥珀〜黄金色の液体には麦芽の豊かな甘みとカラメル感、そして7.2%のしっかりしたアルコール感があります。スタンダードなラガーに飽きたら、バルセロナのバルでぜひ試してみてください。

3. Mahou(マオウ)

Mahou beer Madrid
Mahou | Photo: Abi Skipp / Wikimedia Commons / CC BY 2.0
スタイルラガー
アルコール度数5.5%(Cinco Estrellas)
醸造所Mahou-San Miguel Group(マドリード)
創業1890年

マドリードの人々に最も愛されているビールがマオウ。1890年にマドリードで創業し、2000年にSan Miguelブランドを傘下に収め、現在はスペイン最大のビールメーカー・Mahou-San Miguelグループの看板銘柄として知られます。

看板商品の「マオウ・シンコ・エストレジャス(5つ星)」は麦芽のコクとホップのバランスがとれたプレミアムラガー。マドリードのバルでは「¿Tienes Mahou?(マオウある?)」と聞くほど定番で、プラド美術館近くのバルから路地裏の地元酒場まで、マドリード中で飲めます。

4. Alhambra(アルハンブラ)

Alhambra cerveza Granada
Alhambra | Photo: James Cridland / Wikimedia Commons / CC BY 2.0
スタイルラガー/プレミアムラガー
アルコール度数5.4%(Especial)/ 6.4%(Reserva 1925)
醸造所Cervezas Alhambra / Mahou-San Miguel傘下(グラナダ)
創業1925年

アンダルシアのグラナダで生まれたアルハンブラは、かの有名なアルハンブラ宮殿と同じ街が誇るビールブランド。1925年創業で、現在はMahou-San Miguelグループの傘下ですが、グラナダの醸造所での製造を続けています。

スタンダードの「Especial」(5.4%)はきれいな黄金色で飲みやすいラガー。しかし真骨頂は「Reserva 1925」—6.4%の濃厚プレミアムラガーで、麦芽の豊かな甘みとビロードのような飲み口が特徴です。アルハンブラ宮殿観光後のバルで、グラナダ名物のタパスと一緒に飲むのが最高の体験。グラナダでは飲み物を注文すると無料のタパスが付いてくる文化があります。

5. Estrella Galicia(エストレージャ・ガリシア)

Estrella Galicia beer
Estrella Galicia | Photo: juantiagues (Juan Mejuto) / Wikimedia Commons / CC BY-SA 2.0
スタイルラガー(Helles Exportbier)
アルコール度数5.5%
醸造所Hijos de Rivera(ア・コルーニャ、ガリシア州)
創業1906年

スペイン北西部ガリシア州の独立ブランドとして知られるエストレージャ・ガリシア。1906年にホセ・マリア・リベラがキューバ・メキシコ旅行後の帰郷を機に創業し、今も創業者の曾孫が経営する100%ファミリー企業として大手グループに属さない独立を貫いています。なお、名前が似ていますがEstrella Damm(S.A. Damm社)とは全く別のメーカーです。

ガリシアの清冽な水と上質な麦芽を使い、ほのかな花の香りとすっきりした後味が特徴。「プルポ・ア・ラ・ガジェガ(タコのガリシア風)」との相性が絶品で、サンティアゴ・デ・コンポステーラやア・コルーニャでは地元の誇りとして愛飲されています。独立系ブルワリーとしての品質へのこだわりが強く、クラフトビールファンからも高い評価を得ています。

6. Cruzcampo(クルスカンポ)

Cruzcampo beer Seville
Cruzcampo | Photo: Pansebert / Wikimedia Commons / CC0
スタイルピルスナーラガー
アルコール度数4.8%(スタンダード)/ 5.6%(Especial)
醸造所Heineken España(セビリア、アンダルシア)
創業1904年

1904年にセビリアで創業したクルスカンポは、アンダルシアを代表するビールブランドです。名前は「野の十字架(Cruz del Campo)」に由来し、セビリアの守護聖人にまつわる十字架がトレードマーク。1991年よりHeineken España傘下ですが、醸造はセビリアで続けられています。

軽やかな飲み口と爽快感が特徴で、アンダルシアの強烈な夏の暑さにぴったり。セビリアやコルドバのバルでは圧倒的なシェアを誇り、フラメンコショーの後のバルで地元っ子と一緒に飲む体験は格別です。アンダルシア旅行では欠かせない一杯です。

7. Moritz(モリッツ)

Moritz beer Barcelona
Moritz | Photo: Gordito1869 (M. Pfeiffer) / Wikimedia Commons / CC BY 3.0
スタイルピルスナーラガー(クラフト寄り)
アルコール度数4.7%(オリジナル)/ 7.2%(Epidor)
醸造所Fàbrica Moritz Barcelona(バルセロナ)
創業1856年

バルセロナ初のビールブランドとして知られるモリッツ。1856年にアルザス(現フランス)出身のルイ・モリッツ・トラウトマンが創業した歴史あるブランドで、一度廃業しましたが2004年に創業者の子孫が復活させました。現在は建築家ジャン・ヌーベルが設計した「Fàbrica Moritz Barcelona」を拠点に、バルセロナらしいおしゃれなブルワリー&レストランとして運営されています。

クラフトビールの感性を持ちながらも飲みやすいのがモリッツの魅力。通常の「オリジナル」は4.7%でフルーティな香りと清潔感のある飲み口。強めのビールが好きな方には7.2%の「Epidor(エピドール)」もおすすめです。バルセロナのヒップなバルやレストランで見かけることが多く、エストレージャ・ダムとは異なるバルセロナのビール文化を代表する存在です。

8. San Miguel(サン・ミゲル)

San Miguel Spain beer
San Miguel (Spain) | Photo: Erik Cleves Kristensen / Wikimedia Commons / CC BY 2.0
スタイルラガー
アルコール度数5.4%(Especial)
醸造所Mahou-San Miguel Group(マドリード他)
創業1946年(スペイン法人設立は1953年)

スペインのバルやスーパーで最もよく見かけるビールのひとつがサン・ミゲル。もともとフィリピンのサン・ミゲルが1946年にスペインでの醸造を開始し、1953年に「マニラ協定」でスペインの権利を独立法人化。その後2000年にMahouグループが買収し、現在はMahou-San Miguelグループの主要ブランドとなっています(フィリピンのSan Miguel Breweryとは別会社)。

スペインのサン・ミゲルはクリーンでバランスのとれた飲み口が特徴のラガー。旅行者にも地元民にも親しまれる定番ビールで、スペイン各地のバル・レストランで注文できます。

バルでのビールの頼み方

スペイン旅行の醍醐味はバル(Bar)文化。立ち飲みスタイルで気軽に入れるバルでは、簡単なスペイン語で注文するとぐっと楽しみが増します。

グラスの種類と単位

スペインのビールの単位はイギリスとは異なります。バルで一般的なのは以下のサイズです。

バルでのビールのサイズ

  • カーニャ(Caña):約200ml。最もポピュラーなサイズ。冷たく保つために小さめ
  • ボテジン(Botellín):小瓶(250ml)。ビン提供の場合の標準サイズ
  • メディアーナ(Mediana):330mlの瓶(バルセロナ中心)。チューボ(Tubo)はマドリード中心の300ml程度の細長いグラスで、別物として使い分けられている
  • ハッラ(Jarra):大ジョッキ(500ml前後)。グループ向け

バルで使える基本フレーズ

バルでの基本フレーズ
「Una caña, por favor.(カーニャをひとつください)」
「Una Estrella Damm, por favor.(エストレージャ・ダムをください)」
「¿Qué cervezas tenéis?(どんなビールがありますか?)」
「Una clara con limón, por favor.(レモンのクララをひとつ)」
「¡Salud!(乾杯!)」

タパスと一緒に楽しむ

スペインでビールを飲む最大の楽しみはタパス(tapas)文化。バルによっては飲み物を注文すると小皿のタパスが無料で出てくるところも(特にグラナダ、アビラ、サラマンカなど)。オリーブ、ジャガイモのオムレツ(トルティージャ)、生ハム(ハモン・セラーノ)など、ビールとの相性は抜群です。

まとめ

スペインのビールは「すっきり爽快なラガー」を中心に、地域ごとの個性豊かな銘柄が揃っています。バルセロナではエストレージャ・ダムやモリッツ、マドリードではマオウ、アンダルシアではクルスカンポやアルハンブラが地元のソウルビールです。

銘柄地域こんな人におすすめ
Estrella Dammバルセロナバルセロナ旅行・カタルーニャ料理と一緒に
Voll-Dammバルセロナ濃厚ビール好き・個性的な一杯を試したい
Mahouマドリードマドリード旅行・飲みごたえのあるラガーを
Alhambraグラナダグラナダ旅行・プレミアムビールを試したい
Estrella Galiciaガリシア独立系ブランドが好き・クラフト志向
Cruzcampoセビリアアンダルシア旅行・暑い日に爽快な一杯を
Moritzバルセロナクラフト寄りのビールを・おしゃれなバルで
San Miguel全国どこでも飲みやすい定番ビールを

旅先でビールを選ぶとき、「この地域ならこの銘柄」と意識して飲むと、旅の思い出がより鮮やかになります。スペインのバルで「¡Salud!(乾杯!)」と言いながら、現地のビール文化を存分に楽しんでください。

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