ベトナムのビールおすすめ7選|サイゴン・333など定番解説とハノイ・ホーチミンなど地域別の銘柄紹介

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はじめに|ベトナム現地でよく飲まれるお酒は?

Q. ベトナムでよく飲まれるお酒は?
A. ルオウ(Rượu)と呼ばれる米を原料とした蒸留酒と、ビールの2つが主流です。特にビールは国民的飲み物として定着しており、南部はサイゴン・333、北部はハノイビール、中部はビア・ラルー・フーダと、地域ごとに愛されるブランドが異なるのも大きな特徴。さらに世界最安クラスの生ビール「ビア・ホイ(Bia Hơi)」という独特のストリート文化もあり、ビール好きな旅行者にとってベトナムは最高の楽園です。

ベトナムのビール消費量は東南アジアNo.1・世界8位(2024年)という圧倒的な規模を誇ります。フランス植民地時代(19世紀後半)に持ち込まれたビール醸造の技術は独自の発展を遂げ、今日では国民的飲み物として旅のあらゆる場面に溶け込んでいます。

本記事では、ベトナムのおすすめビール7選を創業年・アルコール度数・味わいのポイントとともに紹介します。旅行前の予習にも、ベトナムビールの世界をもっと深掘りしたい方にもぜひ役立ててください。

ベトナムビールの基礎知識

ビア・ホイ(Bia Hơi)──世界最安の生ビール文化

ビア・ホイとは文字通り「蒸気ビール」「生ビール」を意味し、毎日その日の分だけ仕込まれ、鮮度が高いうちに出荷・提供される非加熱の生ビールです。アルコール度数は2〜4%と低く、すっきりした口当たりで南国の暑さに最適。1グラス5,000〜15,000ドン(約30〜90円)という世界最安クラスの価格で飲めるため、地元の人から旅行者まで誰もが気軽に楽しめます。

ハノイ旧市街のタヒエン通りとルオンゴッククエン通りが交わる角は「ビア・ホイコーナー」として有名で、夕暮れ時になると小さなプラスチック椅子に座った老若男女がひしめき合い、「モッ、ハイ、バー、ヨー!(1、2、3、乾杯!)」の声が飛び交います。フランス植民地時代に導入されたヨーロッパ式醸造技術をルーツとし、ベトナム独立後にハノイで広まったこの飲み文化は、今ではベトナムを象徴する体験のひとつです。

ベトナムのおすすめビール7選

1. ビア・サイゴン&サイゴン・スペシャル(Bia Saigon / Saigon Special)

銘柄スタイルアルコール度数醸造所創業
ビア・サイゴンペールラガー4.3〜4.9%SABECO(サイゴンビール・アルコール飲料公社)1875年
サイゴン・スペシャルペールラガー(プレミアム)4.9%
ビア・サイゴン(Saigon Beer)の輸出用ボトル
Photo: Kaihsu Tai / Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0

ビア・サイゴンは1875年にホーチミン市(旧サイゴン)を起源とする、ベトナム最古のビールブランドのひとつです。150年近い歴史を持ち、SABECO(サイゴンビール・アルコール飲料公社)の看板ブランドとして今日もベトナム全土で親しまれています。「ベトナムでビールを頼めばまずサイゴンが来る」という地位を確立した、まさにベトナムビールの代名詞です。味わいはピルスナー系のすっきりとしたホップの苦みと軽やかな炭酸感が特徴で、揚げ春巻き・フォー・バインミーなどのベトナム料理との相性も抜群。製品ラインナップはラガー(4.3%)・エクスポート(4.9%)・チル(4.6%)など多岐にわたります。

サイゴン・スペシャル(Saigon Special)の緑ボトル
Photo: Riza Nugraha / Wikimedia Commons / CC BY 2.0

同じSABECOが手がけるプレミアムラインがサイゴン・スペシャルです。最大の特徴は大麦麦芽100%仕込み(米などの副原料不使用)で、ホップの香りが鮮明でモルトの旨みも豊かなリッチな飲み心地。現地では「Short Saigon(短首サイゴン)」とも呼ばれる独特の短首330ml緑ボトルが目印で、「ビア・サイゴンに慣れてきたら次の一本」として現地でも人気があります。

2. 333ビール(Ba Ba Ba)

スタイルアルコール度数醸造所発売年
ペールラガー5.3%SABECO(サイゴンビール・アルコール飲料公社)1985年
ベトナムの伝統的なビール文化(333ビールなど)
Photo: Asmara Rodrigue / Wikimedia Commons / CC BY 4.0

「333(バー・バー・バー)」はベトナム語で3を意味する「バー(ba)」を3つ並べた名前で、フランス植民地時代の「33(トランドゥ)」という銘柄がルーツです。1975年の南北統一後、1985年に「333」としてリブランディングされました。ブランド名の「333」はすべて足すと「9」になることから幸運のビールとして親しまれてきました。

ビア・サイゴンよりやや度数が高い5.3%で、しっかりとした麦の旨みとキレのある後味が特徴です。「サイゴンよりコクがあって好き」という現地ファンも多く、南部の食堂やローカルバーでは必ずと言っていいほど置いてあります。茶色(アンバー)のボトルに白地・赤と金の「333」のロゴが目印で、缶・瓶・樽生と幅広いフォーマットで流通しています。

3. ハノイビール(Hanoi Beer)

スタイルアルコール度数醸造所前身創業
ペールラガー3.5〜4.9%HABECO(ハノイビール・アルコール飲料公社)1890年
ハノイの食堂でのハノイビール(Hanoi Beer)
Photo: Christophe95 / Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0

ハノイビールは1890年にフランス人が設立したHommel Brewery(ホンメル醸造所)を前身とする、北部ベトナムを代表するビールです。現在はHABECO(ハノイビール・アルコール飲料公社)のもとで生産され、南部のサイゴンビールと双璧をなす北部の国民的ブランドとして、ハノイっ子たちから世代を超えて愛されてきました。

味わいはほのかな甘みとフルーティーなニュアンスを持つ、まろやかな飲み口が特徴で、サイゴンビールよりも軽めに感じる方が多いです。製品ラインナップはドラフト(3.5%)・スタンダード(4.6%)・プレミアム(4.9%)と幅広く、北部のビア・ホイには多くがハノイビールを使用しています。ハノイ旧市街のローカル食堂では「ビア・ハノイ、モッ(1本!)」と言えば通じるほど定番の存在です。

4. ビア・ラルー(Bière Larue)

スタイルアルコール度数醸造所創業
ペールラガー4.2%(Larue Original)Heineken Vietnam(ハイネケン・ベトナム)1909年
ビア・ラルー(Bière Larue)のボトル
Photo: LigerCommon / Wikimedia Commons / Public Domain

ビア・ラルーは1909年にダナン(ベトナム中部)でフランス人醸造家によって生み出された、中部ベトナムを代表する老舗ブランドです。フランス植民地時代の醸造レシピを受け継ぎ、100年以上にわたってダナン・フエ・ホイアン周辺で愛飲されてきました。現在はHeineken Vietnamの傘下でブランドを維持し、中部の郷土の誇りとして受け継がれています。

味わいはフランス式醸造の伝統を活かした、すっきりした酸味と穏やかな苦みのバランスが特徴。ラベルに虎が描かれていることから、親しみを込めて「虎のビール」と呼ばれることもあります。ダナンやホイアンを旅行した際にはぜひ現地の食堂や市場で試してほしい一本で、海鮮料理との相性も抜群です。

5. フーダビール(Huda Beer)

スタイルアルコール度数醸造所Carlsberg出資
ペールラガー4.7%Carlsberg Vietnam(Hue Brewery Ltd.)1994年(50%出資)、2011年(完全傘下)
フーダビール(Huda Beer)
Photo: LigerCommon / Wikimedia Commons / Public Domain

フーダビールは旧都フエを拠点とするHue Brewery(フエ醸造所)が生産する中部ベトナムの名物ビールです。ブランド名「HUDA」は「HUe」と「DAnmach(デンマーク語でデンマークの意)」を組み合わせた造語で、デンマークのCarlsberg Groupが1994年に50%出資して協力関係を結んだことに由来します。2011年には完全子会社化され、現在はCarlsberg Vietnamとして醸造・販売が行われています。

アルコール度数4.7%のクリアで爽快なラガーは、フエの伝統料理バインベオ・ブンボーフエとの相性が絶品。2013年のWorld Beer Championshipsで銀メダルを受賞しており、国際的にもその品質が認められています。フエやダナンを旅行する際にはビア・ラルーと並ぶ中部の定番ビールとして、地元のスーパーや食堂で必ず見かける存在です。

6. チュックバック(Trúc Bạch)

スタイルアルコール度数醸造所特徴
ペールラガー(プレミアム)5.1%HABECO(ハノイビール・アルコール飲料公社)ハノイのプレミアムブランド

チュックバック(Trúc Bạch)は、ハノイビールを傘下に持つHABECOのプレミアムラインです。名前はハノイ旧市街に隣接するトゥックバック湖(Hồ Trúc Bạch)に由来しており、北部ベトナムの歴史と伝統を体現したブランドとして位置づけられています。通常のハノイビールより麦の風味が豊かで、洗練された飲み口が特徴。ハノイの高級レストランやホテルのバーなどで見かける機会が多く、「ちょっと奮発したい」という夜に試したい一本です。

7. パスツール・ストリート・ブリューイング(Pasteur Street Brewing)

スタイルアルコール度数醸造所設立
クラフトビール各種銘柄により異なるPasteur Street Brewing Co.(ホーチミン市)2014年

Pasteur Street Brewing(パスツール・ストリート・ブリューイング)は、2014年にホーチミン市のパスツール通りで誕生したクラフトブルワリーです。ベトナム産のスパイスや果物(ドラゴンフルーツ・レモングラス・黒コショウなど)を独創的に使ったクラフトビールで国際的な評価を得ており、アジアのクラフトビールシーンを牽引する存在として知られています。代表作「Jasmine IPA(ジャスミンIPA)」はジャスミンの花の香りと柑橘系ホップが融合したベトナムならではの一本です。ホーチミン市内のタップルームやクラフトビアバーで試せます。

まとめ|どのビールを選ぶ?

旅先やシーンに合わせた選び方をまとめました。

  • 現地で安く乾杯したい:ビア・サイゴンか333が最適。どこの食堂でも必ず置いてある定番です。
  • お土産・プレミアムを探している:サイゴン・スペシャルの短首ボトルが目を引きます。ハノイ土産ならハノイビール缶も喜ばれます。
  • 中部(ダナン・フエ・ホイアン)を旅する:ダナン周辺はビア・ラルー、フエはフーダを迷わず注文。地元ならではの味です。
  • 北部でちょっと贅沢したい:ハノイのプレミアムブランド、トゥックバックをぜひ。
  • クラフトビールが好き:ホーチミン市ならPasteur Street Brewingのタップルームへ。ベトナム食材を使った個性派ビールが揃っています。

ビールを地域ごとに使い分けることがベトナム旅行の楽しみのひとつ。「モッ、ハイ、バー、ヨー!」で現地の人と乾杯してみてください。

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