はじめに
スイスといえばチーズが有名。でも実際にスーパーに行くと種類が多すぎて、「どれを選べばいいの?」「お土産におすすめのチーズって?」「保存や持ち帰りは大丈夫?」と迷ってしまう。
この記事では、2024年にスイス・ジュネーブで実際に購入・試食した体験と、帰国後の調査(2025年)をもとに、おすすめチーズの種類や選び方、持ち帰り方などを詳しく紹介します。
おすすめチーズ①:グリュイエールチーズ(Gruyère cheese)
フランス語圏にあるグリュイエール地方が原産のセミハードタイプのチーズで、スイスを代表する定番の一つ。エメンタールと異なり、チーズには穴が空いていないのが特徴。
我が家ではこれが一番人気。濃厚でコクがあり、白ワインとの相性も抜群。独特な香りがクセになる味わいだった。
グリュイエールチーズは、スイスのチーズフォンデュに欠かせない基本の材料でもある。エメンタールと白ワインを合わせれば、まさに本場の味。

フォンデュ以外にも、クロックムッシュやチーズトーストなどに使っても美味しい。帰国後にスーパーで探したところ、成城石井などでたまに見かけるが、やはり値段は高め。

「AOP」の表記があるものは、スイス政府によって原産地や製法が保護された正統なグリュイエール。購入時の目印になるのでチェックしたい。
ジュネーブのスーパーでは、100gあたりおおよそ3〜4CHF(約500〜600円)で販売されていた。ブランドや熟成期間によって価格に幅があり、写真は特売(Action)品でお得に買えたもの。
おすすめチーズ②:エメンタールチーズ(Emmental cheese)
ベルン州のエメン地方で作られている、スイスを代表するチーズのひとつ。海外では、エメンタールチーズのことを「スイスチーズ」と呼ぶこともある。
鮮やかな黄色のハードタイプで、大きな穴が空いているのが特徴。あの「トムとジェリー」に出てくるチーズのイメージそのもの。
この穴は、発酵の過程で発生する炭酸ガスがチーズの中に閉じ込められたことでできたもの。見た目は個性的だが、味は意外とマイルドで、ナッツのような風味と優しい甘みがある。
子どもでも食べやすいと言われるチーズで、パンにのせたり、加熱してトーストにしたりと使い勝手もいい。ただ、うちの子にはちょっとクセがあったようで食べなかったが、大人には好評だった。
ジュネーブのCoopなどでもよく見かけ、グリュイエールよりエメンタールの方が手頃な価格で手に入りやすい印象。チーズフォンデュ用のミックスにもよく使われている定番チーズ。
おすすめチーズ③:ラクレットチーズ(Raclette cheese)
ラクレットは、スイス発祥の伝統的な郷土料理に使われるセミハードタイプのチーズ。「ラクレット」という名前は、チーズを温めて、溶けた部分をナイフなどで“こそげ取る”という食べ方に由来している。
溶かしたチーズをじゃがいも、パン、ブロッコリー、玉ねぎなどにかけて食べるのが定番。とろ〜りとしたチーズが食材に絡む様子は、見た目にも食欲をそそる。

実際にスイスの友人宅でごちそうになったが、クセがなくてとても食べやすく、濃厚で香ばしい味わいが印象的だった。チーズ初心者にもおすすめできる味だと思う。
スイスのスーパーでは、「ラクレット用」としてカット済みのチーズが真空パックで販売されており、自宅でも手軽に楽しめる。CoopやMigrosでも見かけた。
本来は「ラクレットAOP(原産地名称保護制度)」という認証付きのチーズが正式なラクレットとされるが、各国で類似のラクレット風チーズも販売されていて、価格や味もさまざま。お土産にする場合は、真空パック+AOPマークを目安に選ぶと安心。
おすすめチーズ④:パルミジャーノ・レッジャーノ(Parmigiano Reggiano)
これはスイス産ではなくイタリア産のチーズだが、スイスのスーパー(Coopなど)でも普通に売られていて、滞在中に何度食べて、お土産にも購入した。
ガイドブックなどではあまり紹介されていなかったが、現地の人にとっては身近な輸入チーズのよう。実際、パスタにたっぷりかけて食べたところ、香りも旨みも抜群で大満足だった。

パルミジャーノ・レッジャーノは、イタリアの特定地域で厳格な製法に基づいて作られる「チーズの王様」。牛乳由来のハードチーズで、凝縮された旨味と芳醇な香りが特徴。熟成が進むほど風味が深くなり、すりおろして使うと料理全体の味を格上げしてくれる。
なお、模倣品(パルメザン風)も多く出回っているため、購入する際は「Parmigiano Reggiano」と明記され、DOP認証マーク(赤と黄色のラベル)が付いているか確認するのがおすすめ。
グリンデルワルトで出会ったチーズたち



グリンデルワルトのホテル朝食では、地元産のチーズが並んでいて、パンやハムと一緒に、チーズを少しずつ試せるのが楽しかった。
以下のようなチーズが紹介されていて、どれもホテルの近くで作られたものだという説明があった:
- ALPENKRÄUTER MUTSCHLI:ハーブ入りのセミハードチーズ。グリンデルワルト産の牛乳で作られたハーブの効いた半硬質で低温殺菌のチーズ。
- EIGER MUTSCHLI:グリンデルワルト産の山のミルクから作られたチーズで、マイルドな香りとクリーミーな食感が特徴。
- WEISSE SPINNE:白カビタイプで、まるでカマンベールのようなトロッとした食感。クラッカーと合わせてワインにも合いそう。
- GRINDELWALDER PFEFFERKÄSE:ペッパーが効いたスパイシーなチーズ。大人好みの味で、ハムと一緒に食べると美味しい。
グリンデルワルトのような山岳地帯では、こうした地元の乳製品が大切に作られていて、ホテルの朝食でもその魅力に触れることができたのが印象的だった。スイスはその土地土地で、現地産のチーズが食べられるのが楽しい。
アッペンツェラーチーズ(Appenzeller)も有名!
今回の旅行中にはタイミングが合わず食べられなかったけれど、スイスチーズの中でもアッペンツェラーチーズは有名な存在。
スイス北東部アッペンツェル地方で700年以上も作られている伝統的なハードタイプのチーズで、ハーブ入りの塩水で表面を拭きながら熟成させるというユニークな製法が特徴。
そのため香りや味わいに独特の深みがあり、グリュイエールやエメンタールとはまた違った個性を楽しめるチーズとして知られている。
次回スイスに行くことがあれば、ぜひ味わってみたいチーズのひとつ。
チーズはスーパーで購入可能・持ち帰りのポイントも解説
チーズはCOOPやMigrosなどのスーパーで手軽に購入できる。私はジュネーブから8kmのフランスのスーパー「E.Leclerc」とCOOPで購入。フランスのスーパーはスイスよりもかなり安い!

持ち運びを考えて、最終日に購入。真空パックされている商品が安心。量り売りでも希望すれば真空対応してくれることも。
日本への持ち込みは基本OK(旅行者のお土産扱い)だが、大量・商業目的・郵送は要注意。詳しくは農林水産省の 乳製品の検疫ページ を確認。
※2025年7月時点の情報です。最新情報は公式ページを確認ください。
▶ こちらの特集記事(スイスチーズの種類と特徴)も参考にどうぞ。
チーズフォンデュミックスやフォンデュ鍋もスーパーで手に入る
スイスでは、Coopなどのスーパーでもチーズフォンデュ鍋(caquelon)が売られていた。たとえば以下のような陶器製のセットは、エーデルワイスの柄が入っていて、自宅用のお土産やプレゼントにもぴったり。
▶ Coop公式:5点セットのフォンデュ鍋(エーデルワイス柄)
また、あらかじめチーズ・白ワイン・キルシュなどがブレンドされた「フォンデュ用のミックス」もスーパーで売られており、袋から鍋にあけて温めるだけで、本場の味が再現できる便利なセットになっている。
たとえばこちらのGerberのフォンデュミックスは、スイス産チーズをベースにした2〜3人前の冷蔵商品。
▶ Coop公式:Gerber フォンデュミックス(冷蔵・要加熱)
※要冷蔵商品のため、日本に持ち帰る場合は保冷対応が必要。現地滞在中にホテルやキッチン付きアパートメントで楽しむにはぴったり。
まとめ
スイスはチーズ好きにはまさに天国のような場所だった。日本で買うと高価なので、お土産としてたくさん買って帰ったつもりが、あっという間に食べきってしまい「もっと買えばよかった」と後悔したほど。
日本では小さなチーズが高値で売られているため、スイス旅行の際はぜひ多めに購入しておくのがおすすめ!
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