リトアニアビールおすすめ9選|定番からローカルクラフトまで現地で飲みたい銘柄まとめ

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はじめに|リトアニアのお酒・ビール事情

この記事でわかること

  • リトアニアのビール事情
  • リトアニアビールの有名定番銘柄と特徴
  • 農家醸造・クラフト銘柄の見どころ
  • お土産におすすめの銘柄

リトアニアは、世界でも有数のビール大国です。キリンホールディングスが発表した「2024年世界主要国のビール消費量」の調査結果(2025年12月公開)によると、リトアニアの一人あたりのビール消費量は、ビール大国として知られるチェコに次ぐ世界第2位を記録しました。

※出典:キリンホールディングス「2024年世界主要国のビール消費量」

ビール以外では、蜂蜜酒Midus(ミドゥス)やハーブリキュールTrejos devynerios(トレヨス・デヴィネリョス)も知られていますが、主役はやはりビール。11世紀から続くとも言われる農家醸造(カイミシュカス)の伝統を持ち、ソ連統治下でも途絶えることなく受け継がれてきたビール文化が今も息づいています。

💡 農家醸造(カイミシュカス)とは?
リトアニアの農村で中世から代々受け継がれてきた伝統製法。

  • 独自の家系酵母:数百年続く「生きた酵母」が放つ、ナッツのような独特の風味。
  • 煮込まない製法:麦汁を沸騰させないため、麦本来のフレッシュで濃厚な「とろみ」が残る。

ソ連時代の弾圧を乗り越え、現代に奇跡的に生き残った「飲む文化遺産」です。

この記事では、定番大手からローカルクラフトまで9銘柄を、味の特徴や現地での定番度も交えて紹介します。

Švyturys Ekstraの缶
リトアニアビール:Ypsilon from Finland / Wikimedia Commons(CC0 Public Domain)

リトアニアビール9選

銘柄スタイル定番度
Švyturysラガー/メルツェン★★★
Utenos Alusラガー★★★
Kalnapilisピルスナー★★★
Volfas Engelmanピルスナー/ウィートビール★★★
Gubernijaラガー/ポーター★★
Rinkuškiaiラガー/トリプルボック★★
Dundulisハーブビール
Genys Brewing Co.IPA・スタウトほか
Jovarų Alus農家醸造(カイミシュカス)
定番度の目安: ★★★=全国流通の大手/★★=中規模・地域ブランド/★=小規模・限定流通

Švyturys(シュヴィトゥリス)

  • 定番度:★★★
  • 醸造所創業:1784年(リトアニア/クライペダ)
  • 醸造所:UAB Švyturys-Utenos Alus(カールスバーググループ傘下)
  • スタイル:ラガー/メルツェン

リトアニアで現存する中で2番目に古い醸造所。「Švyturys」はリトアニア語で「灯台」を意味し、ラベルにも灯台が描かれている。現在はバルト三国最大の醸造グループ「シュヴィトゥリス=ウテノス・アルス」の主力ブランドとして、国内外で圧倒的な存在感を示す。ラガーのEkstraとダークラガーのBaltijosという、対照的な個性を持つ2本が看板商品。

[主な商品]
・Švyturys Ekstra(5.2%)… 明るいゴールドカラーで泡立ちが豊か。ホップの穏やかな苦みと麦芽のバランスが良く、後味はすっきり。非殺菌の生樽で提供されると香りがより豊か。リトアニアのビールバーで「おすすめは?」と聞けばまず名前が挙がる定番中の定番。
・Švyturys Baltijos(5.8%)… 1960年代に開発されたレシピのダークラガー。深みのある赤琥珀色で、カラメルモルト由来のリッチな甘みと香りが特徴。口当たりはなめらかで後味はすっきり。

メルツェン(Märzen)とは?… もともとドイツ・バイエルン地方のオクトーバーフェスト向けに醸造されたラガービール。カラメルモルト由来の深みある琥珀〜赤褐色が特徴で、アルコール度数もやや高め。

Švyturys Baltijosのグラス
Švyturys |写真:swanksalot / Wikimedia Commons(CC BY-SA 2.0

Utenos Alus(ウテノス・アルス)

  • 定番度:★★★
  • ブランド誕生:1977年(リトアニア/ウテナ)
  • 醸造所:UAB Švyturys-Utenos Alus(カールスバーググループ傘下)
  • スタイル:ラガー

リトアニア北東部の都市ウテナで1977年に創業した比較的若い醸造所だが、現在はシュヴィトゥリスと合併してバルト三国最大の醸造グループを形成する。スーパーマーケット(Maxima・Rimi・Iki)どこでも必ず見かける全国区の定番ブランドで、リトアニア人にとっての「日常のビール」。クセのない飲み口で幅広い世代に親しまれている。

[主な商品]
・Utenos(5.0%)… 淡い黄金色。軽やかな麦芽の甘みとほのかなホップの苦み。すっきりした後味で食事との相性も抜群。シンプルなラガー。
・Utenos Tamsus(5.0%)… ダーク系ビール。ローストモルトの香ばしさとほのかなコーヒー感。軽い口当たりながら奥行きのある風味。

Utenos Alusの大瓶
Utenos Alus|写真:Jessica Gardner / Wikimedia Commons(CC BY-SA 2.0

Kalnapilis(カルナピリス)

  • 定番度:★★★
  • ブランド誕生:1902年(リトアニア/パネヴェジース)
  • 醸造所:AB Kalnapilis-Tauras
  • スタイル:ピルスナー/ラガー

「Kalnapilis」はリトアニア語で「丘の城」を意味する、1902年創業の老舗ブランド。もともとドイツ人実業家によって設立され、1929年にカゾン兄弟がオーナーとなってリトアニアを代表する醸造所に成長。120年以上の歴史を持ちながら、現代でも国内シェア上位を維持する。リトアニア北部を代表するブランドとして、地域への愛着も強い。

[主な商品]
・Kalnapilis Original(5.0%)… 澄んだゴールドカラー。フレッシュな麦芽の香りとクリーンなホップの苦み。ピルスナーらしいキレのある後味。
・Kalnapilis Nefiltruotas(5.0%)… 非濾過のにごりビール。酵母由来のコクと香りが加わり、よりまろやかでふくよかな味わい。

Kalnapilisのボトル
Kalnapilis|写真:Thevolodymyr / Wikimedia Commons(Public Domain)

Volfas Engelman(ヴォルファス・エンゲルマン)

  • 定番度:★★★
  • ブランド誕生:1854年頃(リトアニア/カウナス)
  • 醸造所:AB Volfas Engelman
  • スタイル:ピルスナー/ウィートビール/エール

カウナスを拠点とする歴史ある醸造所。19世紀半ばに実業家ラファイラス・ヴォルファスが創業し、1894年にフェルディナント・エンゲルマンの醸造所を買収。1927年の統合時にはリトアニアのビール市場の約40%を占めた最大手で、当時から続くブランドアイデンティティを今も継承している。ラガーからウィートビール、季節限定エールまでバラエティ豊かなラインナップが魅力。

[主な商品]
・Volfas Engelman Pilsner(4.7%)… クリーンでドライな飲み口。ハーバルなホップの香りと麦芽の甘さが調和したクラシックなピルスナー。
・Volfas Engelman Rinktinis(5.2%)… 芳醇でアロマティックなラガー。香ばしい麦芽の風味が豊かで、通常のラガーより濃い味わい。

Volfas Engelman Kaunas Darkのパイント
Volfas Engelman|写真:Ing Nbg / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0

Gubernija(グベルニヤ)

  • 定番度:★★
  • 醸造記録:1665年(リトアニア/シャウレイ)
  • 醸造所:AB Gubernija
  • スタイル:ラガー/ポーター(バルティック・ポーター)

1665年の醸造記録を持つ、リトアニアどころかヨーロッパ有数の老舗醸造所。元々は領主の館に付属したパブ兼醸造所として始まり、360年以上にわたって醸造を続けてきた。「Gubernija」はロシア語で「州・県」を意味し、帝政ロシア時代の歴史が名前に刻まれている。観光客には少し知名度が低めだが、歴史好きのビールファンには外せない一本。

[主な商品]
・Gubernija Extra Lager(5.2%)… 軽やかで麦の甘みとほどよいホップ感。毎日飲める飲み飽きないライトな味わい。
・Gubernija Baltijos Porteris(7.0%)… バルティック・ポータースタイル。ダークチョコレートやコーヒーのような香ばしいロースト感。冷涼な気候にぴったりの濃厚な一本。

バルティック・ポーター(Baltic Porter)とは?… バルト海沿岸諸国で発展した濃い黒ビール。イギリスのポーターをベースに、ラガー酵母で低温発酵させた独自スタイル。アルコール度数が高くリッチな風味が特徴で、リトアニア・ラトビア・エストニアの各国に優れた銘柄がある。

Gubernijaのボトル
Gubernija|写真:Thevolodymyr / Wikimedia Commons(Public Domain)

Rinkuškiai(リンクシュキャイ)

  • 定番度:★★
  • 創業:1991年(リトアニア/ビルジャイ地区)
  • 醸造所:AB Rinkuškių alus
  • スタイル:ラガー/トリプルボック

リトアニアのビール発祥の地とも呼ばれるビルジャイ近郊に位置する醸造所。1991年のソ連解体直後に設立された比較的新しいブランド。ビルジャイはラトビア国境近くに位置し、11世紀から農家醸造が盛んだった地域。一般的なラガーに加え、高アルコールの「トリプルボック」でも知られ、コンビニや量販店でも広く流通している。

補足: ビルジャイは「リトアニアビール発祥の地」として知られ、地域のビール祭りも開催される。ビール好きの旅行者ならぜひ立ち寄りたい場所。

Rinkuškiaiのボトル
Rinkuškiai|写真:Bernt Rostad / Wikimedia Commons(CC BY 2.0

Dundulis(ドゥンドゥリス)

  • 定番度:
  • 創業:2012年頃(リトアニア/パネヴェジース)
  • 醸造所:Dundulis Brewery
  • スタイル:ハーブビール/グルートビール

「Dundulis」はリトアニア語で「雷」を意味するクラフトブルワリー。リトアニアのクラフトビールシーンを牽引する代表的な存在で、最大の特徴はホップの代わりにジュニパー(杜松)、ヘザー(ヒース)、ヨモギ、白樺など北欧・バルト原産の植物素材を使ったグルートビールの醸造。現代の設備と農家醸造の知恵を融合させた、リトアニアでしか出会えないビールを生み出し続けている。

グルートビール(Gruit Ale)とは?… ホップが普及する前の中世ヨーロッパで、様々なハーブや植物をブレンドして風味付けしたビールのこと。

DundulisのIPAボトル
Dundulis|写真:Bernt Rostad / Wikimedia Commons(CC BY 2.0

Genys Brewing Co.(ゲニス・ブリューイング)

  • 定番度:
  • 創業:2016年(リトアニア/カウナス)
  • 醸造所:Genys Brewing Co.
  • スタイル:IPA/スタウト/ラガーほか

「Genys(ゲニス)」はリトアニア語でキツツキを意味し、ロゴにも愛らしいキツツキが描かれている。カウナスを拠点とするクラフトブルワリーで、「現代の技術と過去の知識を融合させる」というコンセプトのもとスタイルの枠にとらわれない自由な醸造を展開。季節限定や実験的なコラボビールもリリースしている。

Jovarų Alus(ヨヴァル・アルス)

  • 定番度:
  • 酵母の継承:130年以上(リトアニア/パクルオイス)
  • 醸造者:Aldona Udrienė(アルドナ・ウドリエネ)
  • スタイル:カイミシュカス(農家醸造ファームハウスエール)

リトアニアの農家醸造(カイミシュカス)を語る上で欠かせない存在。醸造者のアルドナ・ウドリエネさんは「リトアニアのビール醸造の女王」と称される人物で、130年以上受け継がれてきた特別な酵母を使って伝統的手法でビールを作り続けている。ソ連時代も農村の家庭で秘かに受け継がれてきたカイミシュカスの伝統を現代に体現する、生きた文化遺産のような醸造所。

お土産におすすめの銘柄

  • Švyturys — 「これがリトアニアの定番」と一言で説明できる知名度と品質。スーパーでも空港免税店でも入手しやすい。
  • Volfas Engelman — カウナス老舗ブランド。パッケージも洗練されておりお土産映えする。ウィートビールラインはビール以外が好きな人にも受け取ってもらいやすい。
  • Dundulis — ジュニパーなどリトアニアの森の素材を活かしたクラフトビール。ビール好きへの珍しいお土産として最適。

まとめ

リトアニアのビールは、1784年創業のシュヴィトゥリスをはじめとする老舗の伝統的ラガーから、ドゥンドゥリスのような新世代クラフトまで、幅広い顔を持っている。特筆すべきは、11世紀から続くカイミシュカス(農家醸造)の伝統と、ホップ以前の中世レシピを現代に蘇らせたグルートビールの存在。これらはリトアニアでしか出会えない唯一無二の味わいで、ビール好きにとっては「聖地」と呼べる国だ。本記事が旅先でのビール選びの参考になれば嬉しい。

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