氷河急行(Glacier Express)にSaver Day Passは使える?【対応表つき|登山鉄道パス対応まとめ】

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はじめに|この記事で分かること

スイスの旅をよりお得に楽しむために、多くの旅行者が利用する「Saver Day Pass(セーバーデイパス)」や「Swiss Half Fare Card(ハーフフェアカード)」。

実際のところ、氷河急行やユングフラウ鉄道、ゴルナーグラート鉄道などの観光列車・登山鉄道に、これらのパスが使えるのか?気になって調べている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、代表的な観光列車や登山鉄道において、セーバーデイパスやハーフフェアカードが使えるかどうかを、対応表とあわせて分かりやすく整理しました。2025年7月時点の情報をもとに解説しています。

  • ✅ 氷河急行でセーバーデイパス/ハーフフェアカードは使える?
  • ✅ ゴルナーグラート鉄道、リギ鉄道、ベルニナ急行ではどう?
  • ✅ どの交通パスがどの路線で使えるか対応表で確認できる

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セーバーデイパスの買い方・使い方
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ヴェンゲンアルプ鉄道の車窓風景
ヴェンゲンアルプ鉄道の車窓から見える美しい風景

✅ 結論|一覧表

以下の表では、スイスの代表的な観光列車・登山鉄道において、セーバーデイパスおよびハーフフェアカードが使用可能かどうかをまとめた。

各路線についての詳しい解説はリンク先を参照してほしい。※金額は2nd classの料金を記載

観光路線名 ハーフフェアカード セーバーデイパス 備考
氷河急行(Glacier Express) (乗車券のみ) (乗車券のみ) 座席指定料金が別途必要
ベルニナ急行(Bernina Express) (乗車券のみ) (乗車券のみ) 座席指定料金が別途必要
ヴェンゲンアルプ鉄道(Wengernalpbahn) ×
ユングフラウ鉄道(Jungfrau Railway) ×
ゴルナーグラート鉄道(Gornergrat Bahn) ×
リギ鉄道(Rigi Railway)
ピラトゥス鉄道(Pilatus Railway) ×
ブリエンツ・ロートホルン鉄道(Brienz Rothorn Bahn) ×

(2025年7月時点の調査をもとに記載)

ヴェンゲンアルプ鉄道の車窓からの風景
ヴェンゲンアルプ鉄道の車窓から見える美しい風景

【氷河急行】でセーバーデイパスやハーフフェアカードは使える?

氷河急行が通る区間では、RE(急行)やIC(特急)といった通常列車なら、セーバーデイパスで追加料金なしで乗車可能。ハーフフェアカードを利用すれば、乗車券が半額で購入可能

一方、観光列車として人気の氷河急行(Glacier Express)に乗車する場合は、以下の点に注意:

乗車券は各種パス(セーバーデイパス/ハーフフェアカード)でカバー可能。
⚠️ 座席指定料金は別途必須で、どのパスを使っても割引はない。

■氷河急行の主要駅(西 → 東)

  1. Zermatt(ツェルマット)
  2. Visp(フィスプ)
  3. Andermatt(アンダーマット)
  4. Disentis/Mustér(ディゼンティス/ムステール)
  5. Chur(クール)
  6. Filisur(フィリスール)
  7. St. Moritz(サン・モリッツ)

■料金比較(Zermatt〜St. Moritz間・2等車)

チケット所持状況 乗車券 座席指定 合計
通常料金 CHF 159 CHF 49 CHF 208
セーバーデイパスあり 無料 CHF 49 CHF 49
ハーフフェアカードあり CHF 79.5 CHF 49 CHF 128.5

■子どもの座席指定について

年齢 乗車券 座席指定
6歳未満 不要 必要(CHF 49)※座席確保する場合
6〜15歳 半額 必要(CHF 49)

氷河急行 公式FAQページ

【ベルニナ急行】は使える?

スイスの「クール」からイタリア国境を越えた「ティラーノ」までを結ぶ観光列車、ベルニナ急行(Bernina Express)。

標高2,253mのベルニナ峠を越えながら、氷河・アルプスの山々・美しい湖・急勾配の渓谷といった、まるで絵画のような景色の中を走り抜ける。氷河急行よりもダイナミックな自然景観が特徴で、標高差1,800mを一気に駆け下りるスリルあるルートが魅力。

ベルニナ急行の運行区間でも、REやIC(急行・特急)などの通常列車を利用すれば、セーバーデイパスで追加料金なしで乗車可能。ハーフフェアカードを使えば、乗車券を半額で購入可能

一方で、観光列車「ベルニナ急行(Bernina Express)」に乗車する場合は以下の点に注意:

乗車券は各種パス(セーバーデイパス/ハーフフェアカード)でカバー可能。
⚠️ 座席指定料金は別途必須で、どのパスを使っても割引はない。

■料金比較(Chur〜Tirano間・2等車)

チケット所持状況 乗車券 座席指定 合計
通常料金 CHF 66 CHF 36 CHF 102
セーバーデイパスあり 無料 CHF 36 CHF 36
ハーフフェアカードあり CHF 33 CHF 36 CHF 69

■子どもの座席指定について

氷河急行と同様、子どもにも座席を確保する場合は座席指定料金が必要

【ヴェンゲンアルプ鉄道】は使える?

インターラーケン方面からユングフラウヨッホへ向かう途中に通る登山鉄道で、ラウターブルンネン〜クライネ・シャイデック、およびグリンデルワルト〜クライネ・シャイデックの2路線がある。

アイガーやユングフラウの雄大な山々を望める車窓風景が魅力で、観光客にも非常に人気の高いルート。ユングフラウ鉄道に乗り継ぐ場合、この路線を通ることが多く、旅行者にも馴染み深い登山鉄道。

実際にグリンデルワルト〜クライネ・シャイデック区間を利用したところ、急勾配の登りが続く中で、山小屋や放牧風景などアルプスらしい景観を存分に楽しめた。

交通パスの適用状況は以下の通り。

セーバーデイパス:利用不可(No Reduction 対象)
ハーフフェアカード:利用可能(50% 割引適用)

■料金比較

出発地 通常料金 セーバーデイパスあり ハーフフェアカードあり
Wengen → Kleine Scheidegg CHF 31.00 CHF 31.00(割引なし) CHF 15.50
Grindelwald → Kleine Scheidegg CHF 39.00 CHF 39.00(割引なし) CHF 19.50

※ 上記はすべて片道料金

ヴェンゲンアルプ鉄道の外観
▲ ヴェンゲンアルプ鉄道の外観

【ユングフラウ鉄道】は使える?

Kleine Scheidegg(クライネ・シャイデック)駅から標高3,454mのユングフラウヨッホ駅までを結ぶ登山鉄道で、ヨーロッパ最高地点の鉄道駅に到達できることで知られている。雄大なアイガーのトンネルを抜けていく特別な体験ができるため、世界中から観光客が訪れる。

このユングフラウ鉄道に関して、各種パスの適用状況は以下の通り。

セーバーデイパス:利用不可(No Reduction 対象)
ハーフフェアカード:利用可能(50% 割引適用)

■料金比較(クライネ・シャイデック → ユングフラウヨッホ)

チケット種別 料金 備考
通常料金 CHF 83.00 定価
セーバーデイパス利用 CHF 83.00 割引なし(No Reduction)
ハーフフェアカード利用 CHF 41.50 50% 割引適用

※ 上記は片道料金

【ゴルナーグラート鉄道】は使える?

ツェルマットから標高3,089mのゴルナーグラート展望台までを結ぶ登山鉄道で、マッターホルンを間近に望む絶景路線として世界中の旅行者に人気がある。終点の展望台からは、スイスでも有数のパノラマが楽しめる。

このゴルナーグラート鉄道の交通パス適用状況は以下の通り。

セーバーデイパス:利用不可(No Reduction 対象)
ハーフフェアカード:利用可能(50% 割引適用)

■料金比較(ツェルマット → ゴルナーグラート)

チケット種別 料金 備考
通常料金 CHF 66.00 定価
セーバーデイパス利用 CHF 66.00 割引なし(No Reduction)
ハーフフェアカード利用 CHF 33.00 50% 割引適用

※ 上記は片道料金

【リギ鉄道】は使える?

ヨーロッパ最古の登山鉄道として1871年に開業した、リギ鉄道(Rigi Bahn)。リギ山(Rigi Kulm)へは、ヴィッツナウ(Vitznau)発とアルト・ゴルダウ(Arth-Goldau)発の2路線がある。

ルツェルンからの日帰り観光地としても人気があり、天気がよければピラトゥス山やティトリス山、遠くにはベルナーオーバーラントの山々まで見渡せる。

リギ鉄道の交通パス適用状況は以下の通り。

セーバーデイパス:利用可能(Free Travel 対象)
ハーフフェアカード:利用可能(50% 割引適用)

■料金比較(Vitznau・Arth-Goldau → Rigi Kulm)

出発地 通常料金 セーバーデイパスあり ハーフフェアカードあり
Vitznau → Rigi Kulm CHF 49.00 無料 CHF 24.50
Arth-Goldau → Rigi Kulm CHF 49.00 無料 CHF 24.50

※ 上記は片道料金

▶︎参考:myswitzerland.com|リギ鉄道紹介ページ

【ピラトゥス鉄道】は使える?

スイス・ルツェルン近郊に位置するピラトゥス山(Pilatus)は、最大勾配48%という世界一の急勾配を誇る登山鉄道「ピラトゥス鉄道(Pilatusbahn)」で有名。

山頂の Pilatus Kulm(ピラトゥス・クルム)へは、湖畔の Alpnachstad(アルプナハシュタット)から登山列車が運行しており、ルツェルンからのアクセスも良好で人気の観光スポット。

交通パスの適用状況は以下の通り。

セーバーデイパス:利用不可(No Reduction 対象)
ハーフフェアカード:利用可能(50% 割引適用)

■料金比較(Alpnachstad → Pilatus Kulm)

チケット種別 料金 備考
通常料金 CHF 40.00 定価
セーバーデイパス利用 CHF 40.00 割引なし(No Reduction)
ハーフフェアカード利用 CHF 20.00 50%割引適用

※ 上記は片道料金

【ブリエンツ・ロートホルン鉄道】は使える?

ブリエンツ・ロートホルン鉄道(Brienz Rothorn Bahn)は、ブリエンツ湖畔から標高2,244mのロートホルンクルムまでを蒸気機関車で登る珍しい登山鉄道。

現役の蒸気機関車が活躍することで有名で、夏季限定(主に6〜10月)で運行される。車窓からはブリエンツ湖とアルプスの雄大な風景を楽しめる絶景路線。

交通パスの適用状況は以下の通り。

セーバーデイパス:利用不可(No Reduction 対象)
ハーフフェアカード:利用可能(50% 割引適用)

■料金比較(Brienz → Brienzer Rothorn)

チケット種別 料金 備考
通常料金(片道) CHF 62.00 定価
セーバーデイパス利用 CHF 62.00 割引なし(No Reduction)
ハーフフェアカード利用 CHF 31.00 50%割引適用

※ 上記は片道料金

まとめ

登山鉄道・観光列車においてはセーバーデイパスが使えない(No Reduction)路線が想像以上に多く、

今回紹介した中で、セーバーデイパスを使用して無料で乗車できるのは「リギ鉄道」のみだった。

一方、ハーフフェアカードはほぼ全路線で50%割引が適用され、氷河急行・ベルニナ急行の座席指定料を除き、実質的にすべての登山鉄道が半額になる高い割引効果がある。

スイス旅行で登山鉄道や観光列車を活用する予定の方は、ハーフフェアカードの購入・利用がおすすめ


ヴェンゲンアルプ鉄道の車窓から外を見る
ヴェンゲンアルプ鉄道の車窓から外を見る

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※アイキャッチ画像は Unsplash(WFw303fx_dY) より引用

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