はじめに
スイス旅行ではレストランやスーパーでチーズをよく見かけますが、種類が多すぎて「名前は聞いたことあるけど、どんな味?」「お土産にできる?」「どうやって保存すればいいの?」と迷ってしまうことも。
この記事では、旅行中に知っておくと役立つ**スイスチーズの種類と特徴、買い方・食べ方のポイント、持ち帰り・保存の注意点**などを、実体験をもとに旅行者目線でまとめています。

旅行者向け!スイスチーズの代表銘柄まとめ
スイスのチーズといえば、山岳地帯の酪農文化が生んだハードタイプ(硬め)が主役。
昔は冷蔵技術がなかったため、雪の季節に備えて山で作られ、じっくり熟成・乾燥されたチーズが主流だった。
実際に現地で食べて「うまい!」と感動したチーズと、あとから知って「え、それ食べてなかった⁉」と後悔したチーズをリストアップ!

▼ 実際に現地で食べて「美味しかった!」チーズ
名称 | 現地表記 | 食感 | 保存性 | クセ※主観 | AOP |
---|---|---|---|---|---|
エメンタール | emmentaler | 硬い | ◎ | 弱め | ◎ |
グリュイエール | gruyere | 硬い | ◎ | 弱め | ◎ |
ラクレット | raclette | やや弾力あり | ◯ | 弱め | – |
ムチュリ | mutschli | やや弾力あり | ◯ | 弱め | – |
※どれもクセが少なく食べやすかった。ただし、チーズフォンデュになると匂いが強く子供が逃げたほど。

▼ 食べ損ねて「悔やんでいる」チーズたち
名称 | 現地表記 | 食感 | 保存性 | AOP |
---|---|---|---|---|
アッペンツェラー | appenzeller | 弾力あり | ◯ | – |
スプリンツ | sbrinz | 超硬い | ◎ | ◎ |
テット・ド・モアンヌ | tête de moine | 硬い | ◎ | ◎ |
シャープツィガー | schabziger | 柔らかい | △ | – |
ヴァシュラン・フリヴルジョワ | vacherin fribourgeois | 弾力あり | ◯ | ◎ |
ホーベルケーゼ | hobelkäse | 硬い | ◎ | – |
※知ってたが現地で見つけられなかったものや、帰国後に存在を知って「しまったー!」となったチーズたち。今後の旅行でリベンジしたい。
✅ 一言アドバイス
旅行中、「気になるけど今じゃなくていいかな」とスルーしたチーズは、あとで後悔することになるので、どしどし買って試すのがおすすめ。スイスのハードチーズは日持ちするし冷凍OKなので、旅行終盤にスーパーでまとめ買いして帰るのが◎。
▶ スイス・ジュネーブのチーズ土産レビュー
スイスチーズの特徴と食べ方をもっと詳しく!
代表的なチーズを味の違いから分類すると、マイルド系とスパイシー系に分かれる。グリュイエールやムチュリは万人向け、アッペンツェラーはクセのある個性派。
グリュイエール(Gruyère)
ナッツのような香ばしさとコクがあり、「チーズフォンデュ」や「クロックムッシュ」の材料としても有名な、スイスを代表するハードチーズ。
牛乳から作られ、穴は空いていないのが特徴。
白ワインとの相性も抜群で、スライスしてパンに乗せたり、料理に加えたりと万能で食べやすい。
外皮は赤茶色でしっかりとしており、AOP認定チーズ。

エメンタール(Emmentaler)
“トムとジェリーのチーズ”としておなじみの穴あきチーズ。
クセが少なくほんのり甘みがあり、サンドイッチやサラダ、フォンデュにもぴったり。
スイスチーズの象徴的存在で、「EMMENTALER SWITZERLAND」の刻印が外皮にあり、赤茶色の縁が目印。
グリュイエールよりも軽やかで、子どもでも食べやすい味。
ラクレット(Raclette)
火で溶かして、じゃがいもやパンにかけて食べる「ラクレット」に使われる定番チーズ。
※「ラクレット」はチーズの名前と料理名が同じで、スイスの郷土料理としても知られている。
やや弾力があり、加熱することでとろけるコクとナッツ香が引き立つ。
クセは控えめで、スーパーではスライス済みパックも手に入るので、旅行中にも試しやすい。

ムチュリ(Mutschli)
ミニサイズの丸いチーズで、外側はややしっとり。
中は柔らかくてマイルドでクリーミー、子どもでも食べやすい味わい。
生のままスライスして、サラダやパンと一緒に楽しむのがおすすめ。
野菜のピクルスと一緒に食べても美味しい。

スプリンツ(Sbrinz)※(食べてない)
スイスで最も硬いチーズのひとつ。3年以上熟成されものもある。パスタ等にすりおろして使うことが多いスイス版のパルミジャーノ・レッジャーノ的存在。
アッペンツェラー(Appenzeller)※(食べてない)
白ワイン塩水などのブレンド液で方面を洗って熟成させる、スパイシーな香りと濃厚なコクでややクセのあるチーズ。
地域別に見る!スイスチーズの名産地
スイスのチーズは全国で生産されているけれど、実は地域ごとに有名な銘柄や発祥のチーズがある。
旅行の予定に合わせて「どこでどんなチーズが名物か」を知っておくと、現地での楽しみ方やお土産選びのヒントになる。
地域 | 代表チーズ | 備考 |
---|---|---|
ベルン州 | エメンタール、ホーベルケーゼ | 山岳地帯の伝統的ハードチーズの名産地 |
フリブール州 | グリュイエール | 「グリュイエール村」が名前の由来 |
ヴァレー州 | ラクレット | ラクレット発祥の地 |
ジュラ州 | テット・ド・モアンヌ | ジロールで削る花びら型のチーズ |
アッペンツェル地方(東部) | アッペンツェラー | チューリッヒから日帰り可能な地域 |
グラールス州(東部) | シャープツィガー | 青っぽい色が特徴。スパイシーな刺激のある味わい。 |
全国 | エメンタール、ムチュリ | 広範囲で作られるベーシックなチーズ |
次回チューリッヒに行くことがあれば、アッペンツェラーやシャープツィガーをぜひ現地で試してみたい。
また、ホーベルケーゼは日本では見かけないので、ベルンへ訪問したら食べてみたい。

スイス以外の有名チーズは?国別の代表銘柄まとめ
せっかくならと、スイス以外の国で有名なチーズもざっくり整理してみたのがこちら。チーズ好きとしては、旅行先ごとの定番を押さえておくと楽しみが広がる!
- スイス:エメンタール、グリュイエール、ラクレット、スプリンツ、アッペンツェラー
- フランス:カマンベール、ミモレット、コンテ、ロックフォール
- イタリア:パルミジャーノ・レッジャーノ、ゴルゴンゾーラ、スカモルツァ、ペコリーノ・ロマーノ、リコッタ
- イギリス:チェダー、スティルトン
- オランダ:ゴーダ、エダム
- キプロス:ハルーミ(焼いて食べるチーズで有名)
- アメリカ:コルビー、モントレイ・ジャック、ベルビータ(プロセスチーズ)
- 日本:カチョカヴァロ(北海道産あり)、さくら(十勝の桜チップで燻製されたチーズ)
※日本のチーズはまだマイナーだけれど、最近は地域ごとのチーズ工房も増えているので、気になる人は探してみても面白い。

チーズの認定制度「AOP」って何?
スイスで売られているチーズの中には、AOP(Appellation d’Origine Protégée/原産地名称保護)というラベルがついているものがある。
これは、「決められた地域・伝統的な製法・原材料で作られていること」を示す制度で、いわばチーズの“身元保証”。
例えば:
- グリュイエールAOP:フリブール州周辺で伝統製法により作られたものだけが名乗れる
- エメンタールAOP:エメンタール地方など指定地域の特定製法で作られたもの
- スプリンツAOP:長期熟成&特定地域でのみ作られる超ハードチーズ
チーズ売り場でAOPのマークがついていたら「本場の味」としての信頼感が高いので、お土産にも安心。
※フランスなど他のチーズ大国にもAOP制度があり、ヨーロッパ各地で導入されている。

我が家でのチーズの楽しみ方と相性の良いお酒
我が家ではスイスで買ったナチュラルチーズを、主に朝食や晩酌タイムで楽しんでいる。
☕ 朝食タイムに
- サラダと一緒に盛りつけるだけで、一気にリッチな朝ごはんに。
- バゲットやレーズンパンに乗せて焼いたり、ハムと一緒にトーストにしても美味しい。
- クロワッサンに野菜とチーズを挟めば、ホテル朝食風にも。
🍷 晩酌タイムに
- チーズプラッターのようにカットしてお皿に盛り、ワインをちびちび飲みながら楽しむのも◎
- ハードタイプのスイスチーズは白ワインとの相性が特に良い。グリュイエールは間違いなし。
- 赤ワイン、ハイボール、ビールでも十分楽しめる。お酒が進む。
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チーズを食べるときの注意点|外側の固い部分は食べていいの?
スイスでナチュラルチーズを買ったとき、外側の固い部分って食べていいの?と戸惑った人は多いはず。
日本で売られているカマンベールチーズの白い皮は普通に食べるし、クセもない。でも、スイスで買ったチーズ(特にエメンタールやグリュイエール)は、外側がけっこう硬くて、色も濃い茶色でゴツゴツしていたりする。
結論を言うと、スイスのナチュラルチーズの外側の皮は基本的に“食べない”。
これは熟成庫での乾燥や発酵によって自然にできるチーズの“皮”で、食べられなくはないけれど、風味が強すぎたり、食感が悪いことが多い。なので、スイスの人たちも普通は取り除いて食べるらしい。
さらに注意したいのが、表面がテカっていたりカラフルだったりするチーズ。
それは輸出用などでワックスやパラフィンでコーティングされていることが多く、絶対に食べてはダメ。
見分け方としては、光沢があってつるっとしているかどうかが目安になる。
お土産チーズの持ち帰り方と保存方法
飛行機でチーズを持ち帰る場合は、旅行の最終日に購入して持ち帰るのがおすすめ。
また、真空パックになっていないものは、現地で真空パックしてもらえるか聞いてみよう(多くのチーズ店で対応可)。
帰国後は、真空パックから出したあとラップ+ジップロックで保存すると、乾燥や匂い移りを防げる。
しばらく食べないチーズは冷凍保存もOK。スイスのハードタイプのチーズは冷凍→解凍後でも美味しく食べられる。
※ソフトタイプのチーズは冷凍NGなので注意。
まとめ|スイス旅行でチーズを満喫するコツ
我が家ではスイス旅行へ行って以来チーズにすっかりハマってしまって、
スイス土産のチーズがなくなった後も色々買って食べており、
チーズエンゲル係数が爆上がりしている状況 (>_<)
現地ではチーズの種類が多すぎて、迷っているうちに買いそびれてしまうこともあるので、気になるものがあれば、その場で試してみるのがおすすめ!
とくにハードタイプのチーズはお土産向きで、帰国後も冷凍保存で長く楽しめるのがうれしい。
以上
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