はじめに|この記事でわかること
- クライネ・シャイデック駅の基本情報(標高・気温・施設など)
- クライネ・シャイデック駅への行き方(グリンデルワルト/ヴェンゲン経由)
- 駅から行けるハイキングコースと景色
- 駅構内・周辺のレストラン・設備情報
「クライネ・シャイデックって天気や気温はどんな感じ?」
「ユングフラウヨッホへ向かう途中に乗り換えるだけの駅なの?」
そんな疑問にお答えするため、2024年夏の体験と2025年の調査を元に最新情報をまとめました。

クライネ・シャイデック駅(Kleine Scheidegg)の基本情報
- 標高:2,061m
- 路線:ヴェンゲルンアルプ鉄道(WAB)、ユングフラウ鉄道(JB)
- 位置:ベルン州。グリンデルワルトとヴェンゲンの中間に位置し、鉄道の乗換駅であり、登山やハイキングの拠点にもなっている。
▶ Google Mapsはこちら - 絶景:アイガー北壁の真下にあり、晴れた日にはアイガー・メンヒ・ユングフラウの三山を一望できる
- 豆知識:韓国ドラマ『愛の不時着』のロケ地としても知られる。第2話でユン・セリとリ・ジョンヒョクがパラグライダーを見上げるシーンがクライネ・シャイデックで撮影された。
この駅は、ユングフラウヨッホへ向かうユングフラウ鉄道の始発駅であり、ユングフラウヨッホを訪れる際にはここで乗り換えることになる。
また、駅はアイガー山の登頂ルートのひとつであるアイガー北壁の真下に位置する。
このルートは最高難度のコースとして知られ、挑戦者を支援するサポート隊が駅周辺に滞在することもあるという。
クライネ・シャイデック駅は乗換駅としてだけでなく、アイガーグレッチャーやメンリッヒェン方面へのハイキングの出発地点でもある。
真夏の8月に訪問したが、標高2,000m超えのため肌寒く、長袖や羽織るものが必要だった。
一方で日差しは強く、帽子やサングラスも持参しておくと安心。
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アクセス方法
クライネ・シャイデック駅へは、グリンデルワルト経由とラウターブルンネン経由の2通りのアクセス方法がある。
- ラウターブルンネン経由
Interlaken Ost → Lauterbrunnen(ベルナーオーバーラント鉄道:Berner Oberland Bahn)約25分
Lauterbrunnen → Kleine Scheidegg(ヴェンゲンアルプ鉄道:Wengernalpbahn)約40分
料金:計約50CHF(片道・大人1名)
▶ Google Maps(ラウターブルンネンからクライネ・シャイデック) - グリンデルワルト経由
Interlaken Ost → Grindelwald(ベルナーオーバーラント鉄道)約35分 11.8CHF
Grindelwald → Kleine Scheidegg(ヴェンゲンアルプ鉄道)約30分 39CHF
料金:計約50.8CHF(片道・大人1名)
▶ Google Maps(グリンデルワルトからクライネ・シャイデック)
交通パスについて
上記の鉄道区間では、一部セーバーデイパスが使えない(無料とならない)区間があるため留意が必要である。
区間 | ベルナーオーバーラント鉄道 | ヴェンゲンアルプ鉄道 |
---|---|---|
ハーフフェアカード | ◯(半額) | ◯(半額) |
セーバーデイパス | ◯(無料) | ×(割引・無料対象外) |
※参考:スイスのお得な交通パス一覧まとめ
ハーフフェアカード・セーバーデイパスの有効区間:公式マップ


クライネ・シャイデックから行けるハイキングコース
クライネ・シャイデックは、複数の登山・ハイキングルートが交差するハイキング拠点である。
西〜南西方向に下るとヴェンゲン方面、東〜北東方向に下るとアルピグレン方面、
南東方向へ進むとアイガーグレッチャー駅を経由してアイガートレイルへと至り、
北西方向の稜線を登ればメンリッヒェン方面へ向かうことができる。
行き先 | 所要時間(目安) | 特徴 |
---|---|---|
メンリッヒェン(Männlichen) | 約1時間30分(片道) | 稜線ルートを歩く人気コース。アイガー北壁を間近に望める絶景ルートで、初心者にもおすすめ。 |
ヴェンゲン(Wengen) | 約1時間30分〜2時間 | 西〜南西へ下るルート。放牧地や牧草地を通るアルプスらしい風景が広がる。 |
アルピグレン(Alpiglen) | 約1時間〜1時間30分 | 東方向に下る静かな道。途中、ユングフラウ鉄道の車両を遠くに眺めることができる。 |
アイガートレイル(Eiger Trail) | 約2時間〜2時間半 | クライネ・シャイデックからアイガーグレッチャー駅まで徒歩約30〜40分登り、そこから北東へ進むトレイル。 アイガー北壁の直下を歩く人気の中級ハイキングコースで、岩場や高低差のある道を含む。天候によっては通行注意。 |
上記のコースはいずれも夏から秋(6月中旬〜10月頃)に歩行可能なハイキングコースである。
時期や天候によっては通行できない場合もあるため、事前に状況を確認するのが望ましい。
標高差があるため、体力や装備に応じて選択する必要がある。
天候が良ければいずれも絶景が期待できるが、急な天候変化には十分注意したい。

駅の設備・施設
クライネ・シャイデック駅には、登山鉄道のチケットを購入できる券売機が設置されている。
駅の入り口付近にはお土産屋や売店があり、スイスグッズや登山関連の商品も並んでいた。
駅の掲示板には、ヴェンゲン方面・グリンデルワルト方面・ユングフラウ方面の列車情報が並び、乗り換え先を一目で確認できる。

駅構内は広くないものの、ホームにはトイレがあり、レストランも併設されている。

駅周辺のレストラン・ホテル
- Bergrestaurant Kleine Scheidegg
クライネ・シャイデック駅に隣接するレストランで、アイガー、メンヒ、ユングフラウの三山を間近に望めるロケーション。
ロシュティなどのスイス伝統料理に加え、ハンバーガー、ピザ、ビールなどのカジュアルメニューもあり、天気の良い日は屋外テラスで絶景を眺めながら食事を楽しめる。 - Restaurant Eigernordwand
山小屋風のあたたかみある雰囲気が特徴のレストラン。
スイス名物のアルペンマカロニやロシュティ、牛肉のタルタルなどが味わえる。
木を基調としたインテリアとパノラマ窓からの景色を見ながらゆったりと過ごせる空間。
営業時間:9:00〜16:00
▶ 公式サイトはこちら - Restaurant Grindelwaldblick
メンリッヒェンへ向かう稜線ハイキングコースの途中、中腹あたりに位置するレストラン。
開放感あるテラス席(200席)は山々の眺望が素晴らしく、晴れた日には遠くのアルプスまで見渡せる。
アルペンマカロニ、チーズフォンデュ、ロシュティ、チーズトーストなど、王道のスイス料理を提供している。
▶ 公式サイトはこちら - Hotel Bellevue des Alpes
1840年創業の歴史ある有名山岳ホテルで、上流階級向けに設計されたため、調度品や内装も豪華で趣がある。
宿泊者は専用レストランで食事を楽しむことができる(一般利用不可)。
ホテルのテラスからはアイガー三山が一望でき、朝焼けや夕暮れなど時間帯ごとの表情の変化をゆっくりと堪能できる。
FAQ|クライネ・シャイデック駅について
- Q:ユングフラウヨッホ行きの電車はどこで乗り換える?
→ A:クライネ・シャイデック駅が乗換駅です。
ヴェンゲン経由・グリンデルワルト経由のどちらでも、この駅でユングフラウ鉄道に乗り換えます。 - Q:クライネ・シャイデック駅にトイレやレストランはある?
→ A:駅構内にトイレがあり、周辺には複数のレストランがあります。
詳細は上記「駅の設備・施設」セクションをご覧ください。 - Q:セーバーデイパスはクライネ・シャイデックまで使える?
→ A:一部区間(ヴェンゲン〜クライネ・シャイデック間など)は対象外です。
パスの適用範囲は交通会社によって異なるため、事前に確認するのが望ましいです。
まとめ
クライネ・シャイデック駅は、ユングフラウヨッホへ向かう単なる乗換駅と思われがちであるが、実際には絶景の広がるハイキングの拠点であり、滞在そのものが楽しい場所である。
アイガー、メンヒ、ユングフラウの三山を眺めながら、駅周辺やレストランでゆったりと過ごす時間は格別であり、気がつけばあっという間に時間が過ぎてしまう。
スイス旅行の際は、ぜひこの駅にも立ち寄って、景色や空気、ハイキングを楽しんでほしい。
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