フランスビールのおすすめ銘柄8選|有名ブランドと地元の人気ビールを紹介

フランスのビール フランス

はじめに|この記事で分かること

  • フランスの有名なビールの銘柄
  • 現地で飲めるマイナーなローカルビール
  • フランスビールの特徴やスタイルの傾向

フランスでよく飲まれているお酒といえば、ワイン、ブランデー、シードル(リンゴ酒)あたりを思い浮かべる人が多いと思います。
実際、日本ではフランス産ビールを見かける機会はほとんどなく、フランスで最も生産量が多いとされる「Kronenbourg(クローネンブルグ)」を知っている人も、それ以外の銘柄についてはあまり馴染みがないかもしれません。

私自身もビール好きではあるものの、これまでに飲んだフランスビールはKronenbourgのみ。
次回ヨーロッパを旅行する際には、現地のビールをもっと楽しみたいと思い、図書館やインターネットでフランスのビール事情について調べてみました。

この記事では、その調査をもとにフランスの有名ビールやローカルビール、地域ごとの特徴について紹介します。
「フランスビールはどれが有名?おすすめは何?」と思っている方の参考になれば嬉しいです。

フランスのビール事情|ワインの国でも意外と飲まれている?

質問:フランス人ってビール飲むの?🍺
答え:最近飲む人が増えていて日本人よりもちょっと少ないくらい

「フランスはワインの国」という印象が強く、ビールはあまり飲まれていないように思われがち。
しかし実際には、若者や都市部を中心にビール人気が年々高まっており、フランス全体でのビール消費量もじわじわと増加している。

フランスの1人あたりビール消費量は年間約33Lとされ、日本よりやや少ない程度。※日本は近年ビール消費が減少傾向にある。
アルザス地方やフランス北部など、ベルギーやドイツに近い地域では古くからビール文化が根付いており、大型のビール工場や伝統的な地ビールも多く生産されている。

さらに近年では、パリやリヨンなどの都市部でもクラフトビール醸造所も少しずつ増えており、たとえばパリでは「BAPBAP」などが知られている。
個性的な味わいのIPAなど、現地ならではのクラフトビールを楽しめる機会が広がっている。

フランスビールの種類と特徴 8選

ここでは、フランス国内で流通しているフランス産ビール銘柄を紹介していく。

定番度の目安:
「★★★」=全国どこでもほぼ確実に見かける
「★★☆」=スーパーで比較的見かけるが、地域差もある
「★☆☆」=クラフト系で限定的な流通

① Kronenbourg 1664(クローネンブルグ)

醸造所: Brasseries Kronenbourg
スタイル: ラガー / 白ビール
定番度: ★★★(フランス最大手)
公式サイト: Kronenbourg 1664公式サイト(英語)

Kronenbourgはフランス国内で最大のシェア(約30〜40%)を誇るビールメーカー。
「Kronenbourg 1664」はその代表的ブランドで、主にラガータイプと白ビールタイプ(Blanc)がある。

緑の瓶に入ったラガーは、日本のビールにも近いすっきりとした味わいで、クセが少なく飲みやすい。
一方「1664 Blanc」は、一見ドイツの白ビール(ヴァイツェン)に似ているが、実際はベルギーの「ベルジャン・ホワイト」に近いスタイル。
コリアンダーやオレンジピールなどの副原料が使われており、フルーティで爽やかな味わいが特徴となっている。

日本では一時期、Kronenbourg 1664がサッポロビールを通じて輸入・販売されていたが、現在は取り扱いが終了しているようだ。
本記事執筆にあたり「もう一度飲んでみたい」と思って大手酒販店に問い合わせたところ、「以前は取り扱ってたんですけど、今はもうないんですよ」との回答だった。
Amazonでも探してみたが、現在は取り扱いがないようで残念。

Kronenbourg 1664の写真
Kronenbourg 1664

② Pelforth(ペルフォール)

醸造所: Brasseries de Pelforth(現:Heineken France 所属)
スタイル: Blonde(ラガー) / Brune(ブラウンエール)
定番度: ★★☆
公式サイト: Pelforth公式サイト(フランス語)

Pelforth(ペルフォール)は、フランス北部・リール近郊で生まれた老舗ビールブランド。現在はHeineken Franceの傘下にあり、「Blonde(ブロンド)」「Brune(ブラウン)」といったタイプが主に流通している。

なかでも「Brune(ブラウン)」は濃色のエールスタイルで、香ばしさとモルトのコクが特徴。
北フランスで親しまれてきた「ビエール・ド・ガルド」と似た雰囲気を持っている。
黄色いペリカンのマークが目印で、お土産にぴったりのかわいいラベルデザイン。

補足:ビエール・ド・ガルド(Bière de Garde)とは?
フランス北部で伝統的に造られてきた保存用ビールのこと。
春に仕込んで夏の間に貯蔵し、秋に飲むというスタイルが名前の由来。モルトのコクと甘みが特徴で、色もアンバー〜ブラウンと濃いめのものが多い。北フランスやベルギー国境付近では今でもよく飲まれているローカルスタイル。
高めのアルコール度数、低温で長期熟成などにより長持ちする。
※過去には「Pelforth Amber」という商品も展開されていたが、現在は公式サイトに掲載がなく、販売終了の可能性がある。
Pelforth Bruneのボトル画像
Pelforth Brune(ペルフォール・ブラウン)|画像出典:Wikimedia Commons
(Photo by Dysmorodrepanis, CC BY-SA 3.0)

③ Grimbergen(グリムベルゲン)

醸造所: Grimbergen修道院(ブランド起源)/製造はHeineken France傘下のBrasseries Kronenbourg
スタイル: Blonde(ブロンド) / Ambrée(アンバー) / Blanche(白ビール)など多数展開
定番度: ★★☆
公式サイト: Grimbergen公式サイト(英語)

Grimbergen(グリムベルゲン)は、ベルギーの修道院にルーツを持つアビィスタイルのビールブランド。
フランスではKronenbourgが製造を担っており、ブロンド、アンバー、白ビール(ブランシュ)など多彩なラインナップが楽しめる。
フランスをはじめとする欧州各国で人気が高く、「修道院風ビール」の代表格として知られている。

ビール瓶のラベルには、復活と不死を象徴する羽ばたく不死鳥が描かれており、パッケージデザインにも存在感があり、ビール棚でもひときわ目を引く。

補足:アビィスタイルとは?
「アビィ(Abbey)」は修道院を意味し、中世の修道士がビールを造っていた伝統に由来するスタイル。
現在は宗教とは関係なく、そのレシピや醸造手法を受け継いだ「修道院風ビール」を指す。
カラメルやトースト、レーズンのようなモルトの甘みやコク、やや高めのアルコール感が特徴で、豊かな香りと味わいが楽しめる。
Grimbergen Optimo Brunoのボトル画像
Grimbergen(グリムベルゲン)ボトル|画像出典:Wikimedia Commons
(Photo by LeeKeoma, Public domain)

④ Meteor(メテオール)

醸造所: Brasserie Meteor(ブラッスリー・メテオール)
スタイル: Lager(ラガー) / Pils(ピルスナー)など多数
定番度: ★★☆
公式サイト: Meteor公式サイト(フランス語)

Meteor(メテオール)は、フランス・アルザス地方の老舗ビールブランド。1640年創業の家族経営で、現在も自社の醸造所「Brasserie Meteor」で製造されている独立系ブリュワリー。

代表的な「Meteor Pils(ピルス)」は、爽快でバランスの取れた味わい。日常的に親しまれている定番ビール。ほかにもアンバースタイルやIPA、季節限定ビールなど多彩なバリエーションが展開されている。

公式サイトには豊富なラインナップが掲載されており、「METEOR PILS」「METEOR IPA」などのシンプルな名称のビールから、「METEOR GINGER」「METEOR BLONDE DE GARDE」といったユニークな銘柄まで揃っている。
いずれも隕石をモチーフにした印象的なラベルが使われており、視覚的にも楽しめる。

⑤ Fischer(フィッシャー)

醸造所: 旧Brasseries Fischer(ブランド起源)/現在はHeineken France傘下、l’Espérance醸造所で製造
スタイル: Amber(アンバー) / Lager(ラガー) など
定番度: ★★☆
公式サイト: Fischer公式サイト(フランス語)

Fischer(フィッシャー)は、アルザス地方のストラスブール近郊で誕生した歴史あるビールブランド。現在はHeineken France傘下のもとで生産が続けられており、「Fischer AMBRÉE(Amber)」などが代表的な商品。

アンバービールらしいしっかりとしたモルトの風味。フランスのスーパーでも見かける定番ビールのひとつ。

以下の画像のような、スイングトップのキャップが特徴という情報を見たのだけれど、現在ホームページを見ると流通している商品はどれも一般的な王冠キャップになっている。
スイングトップのキャップが渋い!飲んでみたい!と思ったが残念。。

Fischerビールのスイングトップボトル
Fischer(フィッシャー)ビールのスイングトップボトル|画像出典:Wikimedia Commons
(Photo by Dirk Van Esbroeck, CC BY-SA 3.0

⑥ La Goudale(ラ・グダール)

醸造所: Brasserie Goudale(ブラッスリー・グダール)
スタイル: Bière de Garde(ビエール・ド・ガルド)
定番度: ★★☆
公式サイト:La Goudale公式サイト(フランス語)

La Goudale(ラ・グダール)は、フランス北部の伝統的な保存ビール「ビエール・ド・ガルド」の代表格。
アルコール度数は高めで、モルトのコクと甘み、スパイスの香りが広がる重厚な味わいが特徴。ラベルデザインもクラシカルで印象的。

ホームページを見ると、どのビールもアルコール7%超えと強め。
長期保存に適しており、未開封・冷暗所であれば1〜2年ほど品質を保てるとされる。

La Goudaleのボトル画像
La Goudale(ラ・グダール)|画像出典:Wikimedia Commons
(Photo by Ras, CC BY-SA 3.0

⑦ Bellerose(ベルローズ)

醸造所: Brasserie des Sources(ブラッスリー・デ・スルス)
スタイル:フレンチエール(IPA風)など
定番度: ★☆☆
公式サイト:Bellerose公式サイト(フランス語)

フランス北部のBrasserie des Sourcesが造る、アロマ豊かなクラフトビール「ベルローズ」。
定番の「Bellerose Blonde」は、3種類のホップを使った華やかな香りが特徴で、世界中のビアコンテストで受賞歴がある。
スパイシーかつフルーティな香りで、夏にぴったりの爽快な飲み口が人気。

以前は画像のような女性のイラストが印象的なラベルだったが、現在はバラのイラストに変更された模様。
やや地味なパッケージとなったが、「Bellerose」のフォントロゴは変わらずスタイリッシュ。

Belleroseビールとグラス
Bellerose(ベルローズ)ビールと専用グラス|画像出典:Wikimedia Commons
(Photo by Kgbo, CC BY-SA 3.0

⑧ Pietra(ピエトラ)

醸造所: Brasserie Pietra(ブラッスリー・ピエトラ)
スタイル: Ambrée(アンバー) / Chestnut Beer(栗ビール)
定番度: ★☆☆
公式サイト:Brasserie Pietra公式サイト(フランス語)

Pietra(ピエトラ)は、フランス・コルシカ島発の個性派ビール。
モルトに加えて、地元産の栗粉をブレンドした珍しい「栗ビール」が代表作。香ばしさとやさしい甘みが広がり、アンバースタイルらしいコクもありつつ、すっきりとした後味で飲みやすい。

私自身は栗焼酎は飲んだことがあるが、「栗ビール」はまだ未体験。
果たしてどれほど栗の風味が感じられるのか、想像が膨らむ。いつか実際に味わってみたい一本。

Pietraビールとグラス(栗ビール)
Pietra(ピエトラ)ビールと専用グラス|画像出典:Wikimedia Commons
(Photo by Clément Bucco-Lechat, CC BY-SA 3.0

まとめ

フランスビールってKronenbourg以外にあるの?どんなものがあるの?と思い調べ始めたところ、
思った以上にユニークで美味しそうなしっかりしたビールがたくさんあった。
これはまた何年か後にフランス旅行へ行って、飲んでみるしかないな!と思った。
その時はこの記事を見返しながら、ひとつひとつ味わいをチェックしていきたい。

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